第16戦 バーレーンGP in マレーシア
決勝レポート

フェルナンド・アロンソ
8位
ランス・ストロール
12位
波乱のレースを今季ベストのアロンソ8位、ストロール12位
10月4日、15時にフォーメーションラップが開始される予定でしたが、グリッドに向かうレコノサンスラップ前に降雨に見舞われ、スタートが延期されました。15時40分、セーフティカー(SC)の先導でフォーメーションラップが開始されます。路面はウエットで気温25度、路面温度35度のコンディションでした。
Aston Martin Aramco Formula One™ Team(AMAF1)の2台を含め全車はインターミディエイトタイヤでフォーメーションラップに臨みました。しかし、天候を考慮して2周行われたフォーメーションラップで、コースアウトやトラブルによるストップが続出し、赤旗が提示され、レースは中断。全車はピットに戻りました。
中断の間に雨は上がり、路面は乾き始めます。長いインターバルとなり、16時33分にレース再開となりました。路面コンディションが微妙な状態となったなか、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールはミディアムタイヤを選択し、再スタートに臨みます。路面を確認するためSC先導で2周走行の後、3周目から当初のグリッド順でスタンディングスタートが切られました。しかし、まだドライタイヤでの走行が厳しいと判断したマシンがスタンディングスタートの前にピットイン。ストロールもピットに入り、インターミディエイトに交換。アロンソはドライタイヤのまま、スタートを切っています。
レースがスタートすると、インターミディエイトタイヤ勢と劣勢となったドライタイヤ勢のタイム差はまだ大きく、アロンソはなんとかマシンをコントロールしながらもポジションを大きく下げることとなります。タイヤを交換したストロールは、一旦順位を落としたものの、その後のペースで挽回。8周目にはストロールは12番手、アロンソは17番手となっています。9周目、コースアウトしてストップするマシンがあったためSCが導入されると、路面が改善されたことでインターミディエイト勢が続々ピットインし、ドライタイヤに交換。AMAF1の2台もピットインし、ともにハードタイヤに交換しました。13周にレースが再開された時点でストロールは11番手、アロンソは18番手を走行。再開した周にアロンソは1つ、続く翌周にさらに1つポジションを上げ16番手となっています。

タイヤ交換によりペースを上げたマシンにより、ストロールは16周目に13番手にダウン。一方アロンソはペースを上げて、14番手に挽回しています。アロンソはさらにペースを維持し、ストロールとの差を詰めていきました。28周を終え、ストロールはピットインしタイヤを交換します。アロンソも31周を終えた時点でピットインし、新品のハードタイヤに交換しました。同じタイミングでピットインする他車もあり、32周目の時点でストロールは12番手、アロンソは13番手。35周目に、アロンソはストロールをパスして、AMAF1の2台のポジションは入れ替わりました。アロンソはさらにペースを上げて、36周目と40周目にオーバーテイクを決めて10番手、入賞圏内に順位を上げています。ストロールも激しいポジション争いを展開し、13番手を死守していました。
43周目、コース上にストップしたマシンが出て、バーチャルSCが導入され、その後マシンの回収に重機が必要なことからSC先導になります。まず先にストロールがピットインしソフトタイヤに交換。アロンソもSCに変わったタイミングでピットインしソフトタイヤに替え、レース終盤の戦いに備えました。タイミングよくピットインを済ませた2台はアロンソ10番手、ストロール13番手と順位を変えることなくコースに戻っています。回収作業が終わり、SC終了と思われたタイミングで、2台の上位車にアクシデントが起こりました。3番手走行のジョージ・ラッセルがマシントラブルでストップし、ランド・ノリスもラッセルの急激なスローダウンで停滞したマシンの列を避けてコースアウトを喫します。これらにより、SC先導の周回は伸び、レースは52周目から残り4周の戦いとなりました。上位車の脱落によりアロンソは8番手、ストロールは12番手となり、ともに激しい接近戦でチェッカーフラッグを目指すこととなりました。
前後とも1秒以内の激しいバトルのなかで、2台はそのポジションを死守し、また前車の背後に迫る状態で、55周のレースを戦い終えました。アロンソは8位入賞を果たし、4ポイントを獲得。今シーズンのAMAF1の最上位となりました。ストロールは最後まで接戦のバトルを展開し、今シーズン自己最上位の12位で完走を果たしました。AMAF1とHondaは、予選に続いて、今シーズンのベストリザルトをバーレーンGP in マレーシアで達成。厳しい戦いが続いた後に、車体、パワーユニットともに手応えを感じられる週末となりました。

フェルナンド・アロンソ
「今週末はこれまで以上に競争力が高まり、8位という順位は我々にとって良い結果です。レース中にはさまざまな出来事がありました。ドライタイヤでスタートしたことで厳しい状況に陥りましたが、幸いにもセーフティカーの導入により、我々にとっては新たなレースが始まったようなものでした。ポイントを獲得できる週末はそう多くないので、我々はしっかりと戦略を実行し、そのチャンスをものにしました。このペースをシンガポールでも維持できるかどうか楽しみです。シンガポールは、理論上多少の期待が持てるコースです。そして今回、スタート時に起きたトラブルはかなり不可解だったので、何が起きたのかを解明する必要があります」
ランス・ストロール
「このサーキットは私たちのマシンに向いていると分かっていたため、マレーシアでのレースは楽しみでした。出力の制限が少なく、グリップの制約も少ないため、それが助けになりました。今日はコース上で、他のマシンとバトルができて楽しかったです。天候条件は非常に扱いにくく、スタートの遅れによって、素晴らしいレースの機会をいくつか逃してしまったと思います。しかし、最初にコースに出た時、路面が予想以上に滑りやすかったことに驚いたので、ピットインしてインターミディエイトタイヤに交換しました。それが正解でした。ハードタイヤは非常に耐久性が高そうだったので、今思えば、2セット目に使用したタイヤをもっと攻めても良かったかもしれません。そのため順位を2つほど落としてしまい、ポイント圏外でのフィニッシュとなってしまいました」
マイク・クラック(AMAF1 チーフ・トラックサイド・オフィサー)
「フェルナンドが8位、ランスが12位という結果で、4ポイントを獲得し、今季最高の結果を残せたことは素晴らしいことです。両ドライバーとも午後のレースを通じて上位争いに加わり、力強いオーバーテイクを披露し、訪れたチャンスを最大限に活かしました。予選で見せたスピードをレース結果に結びつけることができたのは心強いことです。雨のコンディションからスタートの遅れまで、今日の午後は多くの出来事がありました。それらについて、レースの展開や下した判断など徹底的に検証する必要があります。また、わずか数カ月前の開催決定にもかかわらず、このレースを実現するために素晴らしい協力をしてくれたバーレーンとマレーシアに感謝することも重要です」
折原伸太郎(HRCトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニア)
「今週末のマレーシアGPは、エンジンの燃焼やドライバビリティの面で厳しい状況でしたが、HRCのエンジニア陣はAston Martin Aramco Formula One™ Teamと連携してPUセッティングの最適化に取り組みました。決勝レースでは想定より気温が低かったことも幸いし、その状況を活かしながら適切な対応を取ることができました。
今日の結果は私たちにとって価値のあるものとなりました。このリザルトがパワーユニットの実力を完全に反映しているわけではありませんが、チーム全員が力を合わせて最大限の性能を引き出した結果、4ポイントを獲得することができました。
イタリアGPからの3レースでは厳しい局面もありましたが、その中で積み重ねたハードワークを考えれば、今回の結果はHondaにとって前向きな成果です。残りのシーズンに向けても、さらなる改善を目指して全力で取り組んでいきます」
