2026 F1 解説

マイアミGPからレギュレーション一部変更へ

Apr 27, 20262026 F1 解説

4月20日、FIAはマイアミGPから即時施行されるレギュレーションの変更を発表しました。中東2戦が中止された4月、FIAは今シーズン施行された新たなレギュレーションについて関係各者からさまざまな意見を集め、その微調整を行うことを表明していました。20日に行われた最終的なオンライン会議には、FOM(フォーミュラ・ワン・マネージメント)、各チーム代表、パワーユニット(PU)マニュファクチャラーなどが参加し、シーズン序盤3戦のデータをもとに規則の修正について協議、決議を行いました。

主要なテーマはエネルギーマネージメントに関することで、予選において全開走行を増やすことや、車両間の速度差による危険を回避することが目指され、ドライバーからも強い要望があったものです。このほか、レーススタートやウエットコンディジョン時の安全性向上についても議論されました。
これらの変更は世界モータースポーツ評議会(WMSC)の承認を経てマイアミGPから適用され、スタート時の変更についてはテストとして実施されます。
変更内容は以下のとおりとなっています。

予選におけるエネルギー規則の変更

予選でのパフォーマンスアップのため、エネルギーマネージメントに関わる変更が決まりました。

  • ・予選での1周あたりの最大許容リチャージ量が8MJから7MJに引き下げられました。これはアタックラップの多くの区間で全開走行が行われることが狙いで、全開走行時にエネルギー回生をするスーパークリップの最大持続時間が、1周あたり約2〜4秒短縮されると見られています。
  • ・スーパークリップ時の最大出力が予選、決勝ともに従来の250kwから350kwに引き上げられます。これによりドライバーがエネルギー回生に費やす時間が減り、エネルギーマネージメントにおける負担軽減が図られました。
  • ・低エネルギー制限が適用される大会が8戦から12戦に増加され、サーキット特性に対しての適応性が高くなります。

決勝レースで接近した時の速度差を抑制

決勝レースにおける安全性とパフォーマンスの一貫性向上のため、規則変更が行われます。これらはマシン同士が接近した場合の極端な速度差を抑えつつ、オーバーテイクの機会と全体的なパフォーマンス特性を維持することが目的です。

  • ・決勝レース中のブーストによって得られる最大出力が+150kw(またはこれ以上の場合は起動時点の出力レベル)に制限され、急激なパフォーマンス差が抑制されます。
  • ・MGU-Kの出力は、コーナー出口からブレーキングポイントまで(オーバーテイクゾーンを含む)の主要加速区間において350kwが維持される一方、その他の区間では250kwに制限されます。

レーススタートでの安全性確保のために新システムを導入

チャージが必要なレーススタートにおいて、出遅れるマシンが出る危険性が指摘されてきました。それに対処するために、出遅れる可能性があるマシンがあることを警告するシステムなどが、マイアミGPでテストされます。

  • ・クラッチリリース直後に異常に加速が遅いマシンを感知する新たなシステムが開発されました。このシステムによって異常が感知されたマシンは、レースにおいて優位にならない範囲で最低限の加速を確保すべく、MGU-Kの自動デプロイメントが作動します。これによりスタート時のリスクを軽減します。
  • ・視覚警告システムが導入され、加速が遅いマシンは後部、および側面のライトが点滅して、後続ドライバーに警告を発します。
  • ・従来から指摘されていたシステムの不整合を修正するために、フォーメイションラップ開始時にエネルギーカウンターをリセットするシステムを装備します。

ウエットコンディションでの安全対策のための変更

ウエットコンディションでの安全性や円滑なレースの実施を目的に、規則変更が行われます。

  • ・ドライバーからのフィードバックを受け、ウエット時の初期グリップおよびタイヤ性能向上のために、インターミディエイトタイヤのウォーマー温度が引き上げられます。
  • ・ERS(エネルギー回生システム)の最大デプロイメントが低減され、PUのトルクを抑制することで、低グリップ下でのマシンコントロール性が向上します。
  • ・リヤライトのシステムが簡素化され、より明確で一貫性のあるサインとして、悪条件下での後続ドライバーの視認性と反応時間の改善が図られます。

FIAのモハメド・ビン・スライエム会長は、「安全性と競技の公平性は、FIAが最優先事項に掲げるものです。今回の変更は、開幕数戦で明らかになった課題に対処し、競技の公明正大さと質を維持するために導入されました。エキサイティングなものになるであろう2026年シーズンのこれからのレースを楽しみにしています」と述べています。