Circuit info
- Circuit Length
- 6.174 km
- First Grand Prix
- 2021
- Number of Laps
- 50
- Race Distance
- 308.45 km
Location
- Address
- طريق الكورنيش،، الشاطئ،, Jeddah 23512 SaudiArabia
- Google Maps

サーキットの歴史
2010年代後半から、サウジアラビアはフォーミュラEをはじめ、ダカール・ラリーなど大規模な国際モータースポーツイベントを次々と招致し、その流れの先にモータースポーツの世界最高峰であるF1世界選手権の開催を目標としていました。サウジアラビア政府が推進する経済・社会改革政策「Vision 2030」では、スポーツやエンターテインメント、観光産業の拡大が重要な柱のひとつで、モータースポーツ大会やF1開催はそのプロジェクトの一環に位置づけられていました。
そして2020年11月5日、F1は2021年からサウジアラビアGPを開催することを正式発表。開催地に選ばれたのはサウジアラビア西部、紅海に面する港湾都市ジェッダでした。その海岸線に沿って延びるコーニッシュ地区に、F1史上でも例を見ないサーキットが姿を現しました。
F1は最初にジェッダ市内とその周辺を衛星画像で調査し、いくつかのレイアウト案を作成。シミュレーションを重ねたうえで、2020年1月に調査団がサウジアラビアを訪れます。その現地調査でロス・ブラウンらF1側が注目したのが、ジェッダ中心部から北へ約12kmに位置するコーニッシュ地区でした。
紅海に面する細長く、駐車場や空き地、ラグーン、海岸道路が広がる地で、何より魅力的だったのが、既存の市街地コースとは違い、比較的広い土地を使って長く高速なコーナーを配置できることでした。
従来のストリートサーキットのようなストップ・アンド・ゴーではなく、市街地コースでありながら、高速で流れるように走れるサーキットがコースのコンセプトとなりました。設計にはヘルマン・ティルケ率いるティルケ・エンジニアリング(Tilke GmbH)が加わり、F1のモータースポーツ部門と共同でレイアウトを煮詰めていきました。完成した基本構想では、シミュレーション上の平均速度は時速252kmに達し、当時のF1ではモンツァに次ぐ水準と推測されていました。「世界最速の市街地サーキット」というジェッダのアイデンティティは、設計段階から明確でした。
最大の問題は建設期間でした。通常、F1規格のサーキットを一から建設するには数年単位の時間が必要ですが、ジェッダにはそれだけの猶予がなく、新しい施設を事実上約12カ月で造り上げるプロジェクトとなりました。短期間に路面を整備し、FIAの安全基準に合わせてバリアを設置、ピットビル、パドック、レースコントロール、マーシャルポスト、グランドスタンドの建設、さらにナイトレースのための巨大な照明システムも必要でした。
驚異的な短期間の工期を経て、ジェッダ・コーニッシュ・サーキットは完成。計画通り、全長6.174km、27のコーナーを持ち、市街地コースでありながら平均速度は時速250kmを超える高速コースが誕生します。モナコやシンガポールに代表される「低速で狭い市街地コース」という常識を覆し、壁に囲まれた空間をF1マシンが時速300km近い速度で駆け抜ける、F1カレンダーでも特殊な存在となりました。
2021年にF1が初開催され、その後の開催も経て、コースには数多くの改修が施されました。特に安全性とドライバーの視認性についての対応が中心で、コーナー形状やウォールとバリアの位置と形状などの変更が行われています。2026年、中東情勢の悪化で開催は見送られましたが、ジェッダはそのコンセプトを損なうことなく今も変化を続けています。

コースの特徴
サウジアラビアGPの舞台となるジェッダ・コーニッシュ・サーキットは全長6.174km、27コーナーを持つ長大な市街地コースです。27のコーナーはほとんどが中高速で、これらが連続することで市街地ながら超高速コースとなっています。「モンツァに壁を置いたようなコース」と言われるように、市街地コース特有の、すぐにウォールやバリアが迫る、ミスを許さない難しさがジェッダの最大の特徴です。
ホームストレートから最初に現れるのが、ターン1からターン2へと続く、ジェッダでは数少ない低速区間です。ターン1で左へ入った直後に右のターン2が続くため、ターン1でインを取ったクルマが必ずしもターン2でも有利とは限りません。ターン2はこのコースで最も低速となるコーナーで、およそ時速80km前後まで速度が落ちます。
加速に神経を使いターン2を立ち上がると、ここからジェッダらしい世界が広がります。ターン3を抜け、ターン4から先では左右への方向転換が連続します。コース図では細かなコーナーが次々に並びますが、実際はその多くを高い速度のまま通過する、リズムが重要となるセクションです。そして、このようなコーナーの多くがブラインドとなっており、ドライバーからは出口が見えないことが、ジェッダ特有の難しさです。前方が見えない危険性が高く、そのため2023年までにターン8、10、14、20などでフェンスやウォール位置を変更し、視界を広げる改修が施されました。
高速の方向転換を重ねながら進むと、ジェッダを象徴するコーナーであるターン13となります。ターン13はバンク状の長い左コーナーで、約12%の勾配が設けられています。ターン13の後には再び高速区間が続くため、ターン13では高い速度を維持してコーナーを立ち上がることが求められます
ターン13を抜けるとターン14〜15と高速で通過し、ターン16~17で再び素早い方向転換が待ち受けます。ターン17を抜けた後は長い全開区間へ入ります。ジェッダの特殊性を表すターン18〜19〜20〜21となりますが、F1では実質ひとつの全開区間となります。しかもストレートではないため、ドライバーは超高速でステアリング操作を行い、左右にわずかずつ向きを変えながら、ウォールの間を走らなければなりません。
ターン22~23はジェッダでも特に重要な場所で、当初は非常に高速なS字区間でしたが、安全性への懸念から2023年にターン23のフェンスの位置を調整、斜角縁石を追加し、通過速度を時速約50km低下させることを狙った改修が行われました。
ターン22~23をクリアすると再び全開区間となり加速します。ターン24〜25〜26と海岸線に沿うように走りながら速度を上げ続け、ジェッダで最高速を記録する区間となります。
長い高速区間の先に、最終コーナーである左へ回り込むターン27があります。ここはジェッダにおける最大の勝負どころのひとつです。

サーキットの名勝負
2021年にF1初開催を迎えたジェッダ・コーニッシュ・サーキットは、まだ歴史の浅いコースながら、いくつもの印象的なレースを生み出しています。独特の、そして特殊な超高速の市街地レイアウトがドラマを演出してきました。
2021年12月、ジェッダ・コーニッシュ・サーキットで、第1回サウジアラビアGPが開催され、それは近年のF1史で最も激しいチャンピオン争いの最終局面でもありました。
メルセデスのルイス・ハミルトンとレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンの激闘は、サウジアラビアGPを迎えた残り2戦の時点で、フェルスタッペンがわずかなポイント差でトップに立っていました。
異常な緊張感に包まれた予選で、フェルスタッペンは最終アタックで圧倒的な速さを見せながら、最後のコーナーでウォールに接触。幻ともいえるポールラップを失い、ハミルトンがポールポジションを獲得しました。そして決勝は、それ以上に混沌とした展開となります。
事故によるセーフティカー、赤旗中断、スタンディングによる再スタートなど波乱の展開となるなか、ハミルトンとフェルスタッペンは何度も激しいバトルを繰り広げました。フェルスタッペンがコース外を使って首位を守ったとして順位を戻すよう指示された場面では、減速したフェルスタッペンの後方からハミルトンが接触するという異例の出来事まで発生します。
最後はハミルトンが勝利し、これによって両者は最終戦アブダビGPを同点で迎えることになったのです。完成したばかりのサーキットが、F1史に残るタイトル争いの舞台となった印象的なレースでした。
大規模なコース改修が施された2023年、勝利を獲得したのはレッドブル・ホンダのセルジオ・ペレスでした。予選でドライブシャフトのトラブルが発生して、15番手スタートとなったフェルスタッペンも2位まで追い上げ、レッドブル・ホンダが1-2フィニッシュを達成し、圧倒的な速さを見せつけました。そして、2024年もレッドブル・ホンダが圧倒的な速さを発揮し、2年連続で1-2フィニッシュを飾っています。
- 最速ポールポジションタイム
- 1:27.294
マックス・フェルスタッペン(レッドブル/2025年)
- Honda予選最速タイム
- 1:27.294
マックス・フェルスタッペン(レッドブル/2025年/ポールポジション)
- 最速ファステストラップ
- 1:30.734
ルイス・ハミルトン(メルセデス/2021年)
- Honda決勝最速タイム
- 1:31.488
マックス・フェルスタッペン(レッドブル/2021年)
※全長6.174kmのコースレイアウトにおけるデータ。

Hondaでの戦績
サーキットに刻まれてきたHondaの挑戦と実績の軌跡を、戦績データと共に振り返ります。