Circuit info
- Circuit Length
- 4.304 km
- First Grand Prix
- 1963
- Number of Laps
- 71
- Race Distance
- 305.354km
Location
- Address
- Viad. Río de la Piedad S/N, Iztacalco, Mexico City, CDMX 08400, Mexico
- Google Maps

サーキットの歴史
メキシコGPは1963年から1970年、1986年から1992年、そして2015年から現在に至るまで、メキシコの首都メキシコ・シティ近郊のアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで開催されています。1962年、当時マグダレナ・ミシュカと呼ばれていたサーキットで非選手権ながらF1レースが開催され、地元の英雄的ドライバーであるリカルド・ロドリゲスが参戦しますが、練習走行中に事故で死亡する悲劇的な出来事がありました。その兄のペドロ・ロドリゲスも成功したドライバーでしたが、後にレースで事故死。メキシコの誇る偉大なドライバーであるふたりに敬意を表して、サーキットはアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス(ロドリゲス兄弟のサーキット)と改名されたのです。1963年にF1世界選手権のカレンダーに組み込まれ、その2年後の1965年、HondaがF1で初優勝を成し遂げた伝説的なサーキットとなりました。1960年代後半になると、あまりに多くの観客が押し寄せたことでコースの安全に懸念が生じ、結果的に開催を継続することができなくなるという事態になります。1970年の開催を最後に、メキシコGPはF1のカレンダーから姿を消しました。
コースや設備の改修を経て、1986年にメキシコGPは復活しました。しかし、改修は十分とは言えず、施設やコースの老朽化が目立つようになり、1992年でF1開催は終了しています。
2015年、大規模なコース改修を行い、アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスは趣をまったく変えて生まれ変わり、再びF1世界選手権の舞台となります。ヘルマン・ティルケのデザインは、かつて野球場だったフォロ・ソルをスタジアム・セクションとして利用する特徴的なもので、メキシコ政府が全面的にバックアップし完成しました。開催契約が切れる直前の2019年、メキシコ政府は財政支援の打ち切りを発表し、2020年以降のメキシコGP開催継続は難しい状況に追い込まれます。しかし、メキシコ人ドライバーのセルジオ・ペレスとその支援企業などが開催継続を働きかけ、民間の支援とメキシコ・シティのサポートを得ることで開催継続が実現。これにより2021年(2020年はコロナ禍のため中止)から大会の正式名称はメキシコ・シティGPとなりました。

コースの特徴
アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス最大の特徴は、高地に位置することです。海抜2200m以上で、空気密度は平地の約75%にまで低下。この空気の薄さはエンジンはもちろん、空力や冷却に大きな影響を及ぼします。空力面で言えば、ダウンフォースは大幅に低下し、ドラッグ(空気抵抗)も同様に低下し、大きなウイングを装着しても最高速が伸びる特別な現象が起こります。エンジン面では空気が薄いため、より多くの空気を押し込むことが必要になり、ターボチャージャの性能や効率が重要です。最も大きな問題は冷却系で、ラジエーターやインタークーラー、オイルクーラ、そして現在ではバッテリーの冷却が厳しくなり、それらの対策が必要となります。
ホームストレートは1km以上と長く、ポールポジションから最初のブレーキングゾーンまで800mほどあり、スタート直後の加速競争は見どころです。最高速度は時速360kmを超え、モンツァと並ぶ高速コースと言えます。直角に近い右コーナーのターン1は強いブレーキングが必要で、このコース最大のオーバーテイクポイントです。そして、ターン1からターン3にかけて、S字状の連続コーナーとなります。ターン3を抜けるとストレートで、シケイン状のターン4、ターン5、ヘアピン状のターン6が連続します。
ターン7からターン11までは、1980年代から続く高速S字区間で、このサーキットの見どころのひとつです。鈴鹿サーキットのS字コーナーに比べ緩やかなカーブの連続で、より高速での切り返しを見ることができます。ターン12で大きく右に曲がると、そこからスタジアム・セクションに入ります。
かつてフォル・ソロと呼ばれた野球場のフィールド部分にコースを設置し、観客席をそのまま利用したスタジアム・セクションは、現在のアウトドローモ・エスマノス・ロドリゲス最大の特徴です。歓声がトンネル内のように反響するこの区間は、メキシコGPの象徴と言えます。複合コーナーのスタジアム・セクションを抜けると、最終コーナーであるペラルターダを迎えます。かつてのペラルターダは高速バンクでしたが、安全面を考慮し2015年の改修で、その後半部分だけを生かし短縮されました。それでも高速コーナーとしての面影は残し、ストレートのスピードを左右する重要なコーナーです。
全長約4.3kmと短く感じますが、高地であることと長いストレートで独特の趣と難しさを持つ、F1が開催されるなかでは特殊なサーキットとされています。

サーキットの名勝負
1965年、HondaがF1で初めて優勝を成し遂げたのが第10戦メキシコGPでした。RA272改を駆るリッチー・ギンサーが予選3位からスタート直後にトップに立ち、全周トップを快走するという当時としては奇跡的な展開でした。高地対策を施したエンジンは、他の追随を許さず快走を続け、真っ先に歴史的なチェッカーフラッグを受けたのです。HondaにとってF1デビューから1年3カ月弱、わずか11戦目での快挙でした。ヨーロッパ文化の象徴だったF1で、日本人による日本のマシンでの優勝は、F1の歴史に刻まれた大きな一歩だったのです。
2021年、激化するタイトル争いのなかでレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが勝ち取った勝利も記憶に残るレースでした。予選3位からスタートしたフェルスタッペンは、スタート直後のストレートでフロントロウを占めたメルセデス2台を凌ぐ加速を見せ、ターン1でアウト側から2台を抜き去りトップに立ちました。その後、首位の座を明け渡すことなくレースを制し、接戦のチャンピオン争いを有利にする2連勝を達成。地元の英雄であるチームメイトのセルジオ・ペレスが3位となり、レッドブル・ホンダのふたりが表彰台に上がると、メキシコの大観衆による熱狂的な盛り上がりはをシーズンを象徴するシーンとして記憶されています。
- 最速ポールポジションタイム
- 1:14.759
ダニエル・リカルド(レッドブル/2018年)
- Honda予選最速タイム
- 1:14.758
マックス・フェルスタッペン(レッドブル/2019年)※3グリッド降格ペナルティのため、ポールポジション記録対象外。
- 最速ファステストラップ
- 1:17.774
バルテリ・ボッタス(メルセデス/2021年)
- Honda決勝最速タイム
- 1:18.999
マックス・フェルスタッペン(レッドブル/2021年)
※全長4.304kmのコースレイアウトにおけるデータ。

Hondaでの戦績
サーキットに刻まれてきたHondaの挑戦と実績の軌跡を、戦績データと共に振り返ります。