米国Mythicと車載向けSoCの共同開発を進め、
AIの演算性能向上と省電力化の研究を加速

 Hondaは、ソフトウェアデファインドビークル(以下、SDV)に搭載する高性能 SoC(システム・オン・チップ)について、自動運転などに用いるAIの演算性能向上と省電力化を両立する技術の確立を目指し、この分野で独自技術と実績を持つMythic(本社:米国テキサス州、CEO:Taner Ozcelik)に出資するとともに、Hondaの研究開発子会社である株式会社本田技術研究所がMythicと車載向けSoCを共同開発します。

 Hondaは、自由な移動の喜びをサステナブルに提供し続けていくために、「環境」と「安全」が最重要課題であると考えています。なかでも安全の領域では、鍵となる知能化において、SDVに用いる高性能 SoCの進化が不可欠であり、こうした状況を踏まえ、Hondaでは、現在、デジタル演算※1の研究開発に取り組んでいます。将来を見据えてはAI技術の高度化に伴い、演算性能と省電力のさらなる技術革新が求められており、次世代の知能化に貢献する演算基盤の構築に向けて、人間の脳の仕組みに着想を得たニューロモルフィック※2SoCに注目しています。

 Mythicは、高効率なAI処理を省電力で実現するアナログ演算を活用した半導体技術に強みを持つスタートアップ企業であり、ニューロモルフィックSoCの開発に関して、独自のアナログCiM(コンピューティング・イン・メモリー)※3技術に加えて、SDK(ソフトウェア・デベロップメント・キット)※4などのソフトウェア実装技術も有しています。アナログCiMにより、AI演算におけるデータ転送量を最小化し、高い演算性能と省電力の両立を目指しています。

 こうした独自技術に着目し、今後の技術環境や社会の変化に柔軟に対応するため、HondaとしてMythicへ出資するとともに、本田技術研究所は、独自のAIモデル設計や電子制御ユニットの研究開発で培ってきた知見や技術を生かして、SoCを構成するAI演算機能にMythicの技術を組み込み、さらなる演算性能の向上、消費電力の低減を目指し、次世代のSDVに搭載するSoCの研究開発を加速させていきます。

Mythic 概要

  • 本社:米国テキサス州オースティン
  • 事業概要:エッジコンピューティング※5向け、ニューロモルフィックNPU※6の開発・販売
  • 代表者:Taner Ozcelik CEO
  • 創立:2012年

プロセッサとメモリー間で演算とデータ転送を繰り返す方式

ニューロンやシナプスの構造や機能を模倣し、演算と記憶を一体化・演算することで、CPUとメモリー間のデータ転送の遅延を解消し、演算性能の向上と消費電力の削減を目指す技術

メモリーと演算器を一体化しデータをメモリー内部で演算処理することで、データ移動に伴う消費電力を大幅に削減する技術

特定のOSやプラットフォームでアプリケーションを開発するために必要なライブラリやなどをまとめた開発キット

データが生成される端末(=エッジ)、もしくはその近くにデータ処理基盤を配置し、データを遅延なく処理する技術

ニューラル・プロセッサー・ユニット。ニューラルネットワークの並列処理が可能で、AIの推論処理に特化した演算処理装置