出光興産とELV由来プラスチックの水平リサイクルに関する実証実験を開始
~リソースサーキュレーションの実現に向けて~
株式会社本田技術研究所(代表取締役社長:大津 啓司 以下、Honda)は、出光興産株式会社(代表取締役社長:木藤 俊一 以下、出光興産)と、使用済み自動車(End-of-Life Vehicle 以下、ELV)から回収したプラスチックの水平リサイクルに関する実証実験を開始しました。本実証では、再資源化に必要なELV由来プラスチックの回収要件の確立、および将来的な再生資源の生産を含む、水平リサイクルシステムの実現に向けたさまざまな検証を行います。この実証を通じて両社は、2020年代後半にELV由来プラスチックの水平リサイクルシステムの構築と量産車への適用を目指します。
これまでELV由来プラスチックの処理においては、分別回収やリサイクルの技術的難度の高さから、焼却の際に発生する熱エネルギーを回収・利用するにとどまっていました。本実証では、従来のメカニカルリサイクル※1よりも物性低下が起こりにくく、バージン材と同等の性能・品質のリサイクル材に転換できる油化ケミカルリサイクル※2技術を用いることで、水平リサイクルを可能とします。
具体的には、Hondaがリサイクル原資の検討を行うとともに、ELVから使用済みプラスチックを回収します。それを原料として、出光興産の子会社であるケミカルリサイクル・ジャパン株式会社(代表取締役社長:岡村 仁彦)が油化ケミカルリサイクル技術により生成油を生産、出光興産が生成油の再資源化の実現可能性を検証します。
メカニカルリサイクル:使用済みプラスチックを選別、粉砕、洗浄などの物理的な方法で再利用可能な状態にするリサイクル手法
油化ケミカルリサイクル:使用済みプラスチックを油化して生産した生成油を原料に、化学品や燃料油を製造するリサイクル手法
本実証を通じて目指す姿
Hondaはモビリティを進化させるために注力するキーファクターのひとつとして、リソースサーキュレーションを掲げており、プラスチックのリサイクル手法として、今回の油化ケミカルリサイクル以外にも、メカニカルリサイクルなどさまざまな手法を検討しています。今後もリサイクルに関する研究を進め、サステナブルマテリアル100%での製品開発にチャレンジしていきます。