従来の小型スターリングエンジンを超える性能を有するスターリングエンジンを開発するに当たり,内部に薄肉のフィンを持ったケースを試作した.ケース内部に配置されるピストンはこのフィンを避けるために放射状の溝が切られており,運転中のピストンとフィンの接触を防ぐために高い精度が要求される.これらを満たす製作手法は従来なく,金属材料のためのアディティブマニュファクチャリングいわゆる3Dプリンタを使って初めて実現できるものである.しかし既存のアディティブマニュファクチャリングそのままの技術では要求される仕様を満たせない箇所も多く,そのため種々の製作プロセス上のノウハウが必要となった.粉末を積層するブレードの選択,造形後に除去する補強リング,熱処理前に内部に残った粉末除去のための小穴の加工等がノウハウとして得られた.また長さが短ければ0.5 mmの板厚であっても造形できることがわかった.
Honda R&D Technical Review Vol.28 No.1 収録 (166 - 173)