概要 エンジンテクノロジー HYPER VTEC

HYPER VTECの概要

「HYPER VTEC」は、Honda独自の油圧制御による技術をベースとし、設定した回転数になると1気筒あたりの作動バルブ数を2個から4個へと切り換えるバルブ制御システムです。バルブ数の切り換えは、低・中回転域では吸・排気側ともバルブを1個ずつ休止状態にし、1気筒あたり対角線上に2個のバルブを作動。ベストな吸・排気効率を実現するとともに、力強い加速とトルクを得ています。また、高回転域では1気筒あたり4個のバルブ全てが作動し、4バルブエンジンならではのスムーズで伸びのある出力特性を発揮します。

HYPER VTECの作動概念

低・中回転域では2バルブ(吸気排気1)のみが作動。低・中回転にベストな燃焼を実現し、発進時からの力強い加速や巡航走行時のゆとりあるトルクを発揮します。
高回転域では規定回転数に達すると4バルブすべてがフルに作動し、高回転にベストな燃焼を実現。4バルブエンジンならではのスムーズで伸びのある出力特性を発揮します。

HYPER VTECの構造

1気筒ずつに低速回転から高速回転まで全域で作動する常用バルブと、低中回転では休止して高回転時のみ作動する休止バルブを設定しています。この休止バルブのバルブリフタに内蔵されたバルブ作動切り換えシステムと油圧回路を含む油圧制御システムにより構成。
バルブリフタに内蔵されたバルブ切り換えピン(以下、スライドピン)の位置によりバルブ休止・作動が制御されます。

バルブ休止状態

バルブが休止している状態ではスライドピンに油圧が作用しておらず、スライドピンは、リターンスプリングによりストッパピンに押し付けられています。
このとき、スライドピンに設けられた貫通穴にバルブステムがもぐり込むため、バルブリフタ及び切り換え機構部がカムにより駆動されてもバルブは休止状態にあります。

バルブ作動状態

油圧がスライドピンに作用し、スライドピンをスライドさせる。スライドピンがスライドするため、バルブリフタが駆動されると、スライドピンの平面部がバルブステムを押し、バルブとバルブリフタが一体となって動きます。

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