気筒休止で燃費がよくなるのは、大まかにとらえると、“排気量の少ない、小さなエンジン”になるからです。
それをメカニズムとして解説すると、次の3つの理由になります。
1. 休止気筒のポンピングロスがなくなる
![](images/valve01.gif)
燃焼を休止する気筒でバルブを閉じると、その気筒は吸排気をしなくなります。
したがって、エンジンが回る抵抗のなかでもっとも大きいポンピングロスがなくなります。
それが、気筒休止による燃費向上の最も大きな理由です。
ピストンが吸排気するときの空気抵抗。特に吸気は、スロットルが閉じていると大きい。
密閉した空気をピストンで縮めると、 たしかに抵抗があります。 しかし、膨張するとき、縮んだ空気が ピストンを押し返すためプラスとなり、 合計するとロスはほぼゼロになり、 ほとんど損失はないのです。
2. 燃焼気筒のポンピングロスも低減
上図のように、3気筒燃焼時はスロットルが開き気味になります。
そのため、燃焼している気筒は吸気しやすくなり、吸気の「ポンピングロス」が低減し、燃費向上に寄与します。
![](images/topic5_01.png)
エンジンの吸気量を調節する弁。
写真は、電子制御スロットルDBW。
水平に黒く見える軸を中心に、金色に見える円形の弁をモーターで回転させ開閉します。
ドライブ・バイ・ワイヤの略。電子制御スロットルのことです。
アクセルペダルの踏み込み量をセンサーが検知し、その情報にもとづきスロットルをモーターで駆動します。したがって、コンピューターにより理想的な制御が可能です。
3. バルブを駆動する損失の低減
![](images/topic5_02.gif)
バルブを止めるため、主に上図のようなロスが少なくなり、エンジンの仕事効率が上がり、燃費向上に寄与します。
以上の3つの理由から、気筒休止時にはエンジンの“熱効率のいい燃焼領域”を使用する頻度が高まることも、燃費向上に寄与します。
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