PCX ELECTRICのEVシステムの概要

四輪などとの混合交通環境での過不足ない走行性能と、日常での現実的な使い勝手を満たす、世界のより多くの人が体験できるEVシステムです。2個のモバイルパワーパックを直列接続させた96V系EVシステムをPCXならではの、取り回しのしやすい車体サイズの中に配置しています。

EVシステム部品配置図

PCX ELECTRICの目指したもの

通勤や通学といった、生活圏内での移動をこなせる航続距離を持ち、市街地でよく用いられる20〜50km/hの速度域で快適に走れる走行性能。そして、車体内蔵プラグによる駐車状態での充電、バッテリーを取り外しての充電を可能とする優れた使い勝手。これらを、PCXのコンパクトなボディーの中に実現させ、世界各国での日常ユースで便利に使えるバイクを目指しました。

力強い発進加速とコンパクトさを両立させるモーター

モーターは、幅広い回転域での効率向上を図るため、磁石トルクに加えてリラクタンストルク(ステーターが鉄芯を引きつけることで発生するトルク)を併用する磁石埋め込み型構造を採用。
コイル温度が高まると出力を制限する温度保護制御や、細かな通電制御を行うことで、モーターを冷却するオイルポンプやラジエーター、クラッチを不要とし、パワフルでありながらコンパクトなパワーユニットを実現しています。

気軽に充電ができる可搬型バッテリー

車載状態はもちろん、取り外した状態で充電することのできる可搬型バッテリー「Honda Mobile Power Pack」を新開発。セル、バッテリーコネクタ、BMUなどを効率的に配置することで、エネルギー密度を2010年の「EV-neo」対比で約3倍にまで高め、PCXの車体に収まるサイズとしました。
着脱を繰り返しても摩耗を抑えられるコネクタ構造や、誤って落下させてしまった場合も内部のリチウムイオンセルが破損しにくい衝撃吸収構造等も採用し、安心して実際の使用シーンに持ち込める、優れた信頼性も実現させています。

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