社会貢献 2024.11.19

生物多様性保全に向けた取り組み Hondaの生産拠点初・埼玉製作所が「自然共生サイト」の認定を取得

生物多様性保全に向けた取り組み Hondaの生産拠点初・埼玉製作所が「自然共生サイト」の認定を取得

 POINTこの記事でわかること

  • Hondaは60年以上に渡って環境課題への取り組みを行っている
  • 2023年にモビリティリゾートもてぎ、2024年に埼玉製作所 完成車工場が環境省の定める自然共生サイトの認定を受ける
  • Hondaの環境・安全ビジョンである“「自由な移動の喜び」と「豊かで持続可能な社会」の実現”に向け、地域と一丸となった活動を推進する

生物多様性保全を最重要課題の一つに定めるHondaの環境戦略

Hondaは、1960年代から積極的に環境課題の解決に取り組んでおり、“「自由な移動の喜び」と「豊かで持続可能な社会」の実現”に向けて継続的に活動を推進しています。
また、ネイチャーポジティブに向けた自然共生の取り組むにあたり、生物多様性の保全を一つのマテリアリティ(最重要課題)として定め、大気・水・生物多様性を含む自然への影響の回避・最小化だけではなく、その復元・再生にも取り組んでいます。

Hondaも参画している、環境省主導で設立した「生物多様性のための30by30アライアンス※」において、自然共生サイト(生物多様性の保全が図られている区域)として、2023年に栃木県のモビリティリゾートもてぎがHonda初の認定を取得しました。約640ヘクタール(東京ドーム137個分)という広大な敷地のうち、開発地とせずに残した約7割の森林が自然共生サイトの対象で、そこで確認されている生物種約5,800種のなかには希少種も多数含まれています。

※2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として、効果的に保全しようとする目標「30by30」に賛同した組織間の連携

埼玉製作所が目指す事業活動と自然共生の両立

これまで60年以上に渡り、継続して行なってきた環境保全活動のノウハウなどを活かし、モビリティリゾートもてぎに続いて、2024年にはHondaの生産拠点として初めて、四輪車生産工場である埼玉製作所 完成車工場(寄居工場)が自然共生サイトに認定されました。

田山
田山

Hondaは自社の企業活動が生物多様性に影響を及ぼす可能性があることを認識し、保全・再生活動に力を入れてきました。今回、寄居工場のこれまでの保全活動が自然共生サイトに認定され、嬉しく思っています。
寄居工場のメンバーと議論を重ねて、試行錯誤を繰り返しながら、荒廃したビオトープの再生や外来種の駆除、地域住民の皆さんと協力をして行う田植えや稲刈り活動など、地域一丸となった取り組みが評価され、今回の認定取得に繋げることが出来ました。

地域住民の方々も参加した田植え体験イベント 地域住民の方々も参加した田植え体験イベント
認定された自然共生サイトの説明を行なう、環境企画部 自然共生担当 田山 桂(たやま かつら) 認定された自然共生サイトの説明を行なう、環境企画部 自然共生担当 田山 桂(たやま かつら)

寄居工場は四輪完成車生産におけるマザー工場で、2026年3月期にHonda初のカーボンニュートラル工場としての稼動に向けた準備を進めています。

生物多様性保全への取り組みとしては、地域生態系への影響を低減するため、敷地の約30%を生物多様性に配慮した緑地として保全してきました。もともと存在していたコナラ・クヌギ林、スギ・ヒノキ植林などを計画的に剪定・伐採を実施し、森林の地表面である林床を管理することで、地域生態系の保全に重要な里山環境の維持にも取り組んでいます。

敷地内の貯水池 敷地内の貯水池
三堀
三堀

この寄居工場がある場所は、周囲には豊かな自然環境があります。私たちは、その里地里山環境を保全するために、地域の方々とコミュニケーション取りながら、いっしょに活動を実施しています。今後も、事業活動と自然共生の両方に取り組んでいき、地域の皆さんからも存在を期待されるHondaになれるように活動を続けていきたいと思っています。

埼玉製作所  環境総合責任者 三堀 秀二(みほり しゅうじ) 埼玉製作所 環境総合責任者 三堀 秀二(みほり しゅうじ)

自然共生の取り組みの一環として、敷地内のビオトープ(生物生息空間)で生息するさまざま生き物たちが暮らしやすい環境を整えることにも注力しています。

井川
井川

例えば、ホタルは光を嫌いますので、光から守るために背の高い植物を多く残しています。一方で、カヤネズミは背丈が高くない中茎草地を好みますので、背の高い植物を除草するようにしています。手はかかりますが、除草剤を一切使わずに芝刈り機などで除草作業を行ない、生き物たちになるべく影響が出ないように取り組んでいます。
また外来種の駆除により、敷地内にはカヤネズミ・ゲンジボタル・ヨツボシトンボなどの希少動植物や絶滅危惧種も暮らしています。

敷地内で確認されたカヤネズミ 敷地内で確認されたカヤネズミ
袴田
袴田

今、日本各地でホタルなどの生き物が希少になってしまいました。私個人としては、こうした生き物たちが住める自然豊かな環境の維持をしていきたいと思っています。そしてそれを次の世代に引き継ぐことが重要だと思い、活動を推進しています。

写真左:施設管理課 寄居設備グループ グループリーダー 袴田 宜伸(はかまだ よしのぶ)、写真右:施設管理課 緑地担当 井川 宏幸(いかわ ひろゆき) 写真左:施設管理課 寄居設備グループ グループリーダー 袴田 宜伸(はかまだ よしのぶ)、写真右:施設管理課 緑地担当 井川 宏幸(いかわ ひろゆき)

地元住民一丸となって取り組む生物多様性の保全

埼玉製作所の従業員向けに限らず、寄居地域の住民の方々を対象に、水田ビオトープなどを活用した田植え・稲刈り体験、ビオトープガイドツアーや竹林などを活用したイベントを開催し、ビオトープの働きや目的、多様な動植物の保全やその管理方針の共有と地域へのPR、生物多様性の主流化に向けた普及啓発などにも取り組んでいます。

飯島
飯島

寄居工場の従業員やご家族だけでなく、地域住民の方々やお子さんもふくめて、楽しみながら活動に参加していただけるような工夫をしています。イベントを通じて、地域住民の皆さんといっしょに汗を流しながら、交流が深まる機会となるように心がけています。
Hondaは、ガソリンや水など、必要なものを全て自然からもらい事業や企業活動を継続しています。こうした自然から受けている恩恵は、必ず自然に返さなければならない、と考えており、私たちはこれからも自然環境を保全・再生する取り組みを続けていきたいと思っています。

埼玉総務課 文化サービス担当 飯島 弘之(いいじま ひろゆき) 埼玉総務課 文化サービス担当 飯島 弘之(いいじま ひろゆき)

これからもHondaは、豊かな自然、クリーンな海、全ての人の安全、子どもたちが自由に夢を叶える未来、みんなが暮らしやすい社会など、夢のある明日の社会づくりを目指し、豊かな暮らしを次世代につなげる活動に取り組んでいきます。

ビオトープガイドツアーの様子 ビオトープガイドツアーの様子


<関連記事>

この記事は面白かったですか?

  • そう思う
  • どちらともいえない
  • そう思わない

今後の改善の参考にさせていただきます!

Index