Honda Stories

 

製品 2024.03.27

タイやインドネシアのライフスタイルから生まれたバイクデザイン。DESIGNERS STORY ADV150[アーカイブ掲載]

タイやインドネシアのライフスタイルから生まれたバイクデザイン。DESIGNERS STORY ADV150[アーカイブ掲載]

世界各国に9つの拠点を構えるHondaのモーターサイクルデザインスタジオ。各拠点のデザイナーによるコンペティションを経て、ADV150はデザインが決定。グローバルでの展開を意識したスタイリングとなりました。X-ADVのイメージを踏襲したアドベンチャースタイルのスクーターというコンセプトを生み出したのは、タイとインドネシアのデザイナーたちです。今回は、タイスタジオのキム(Kim)さん、ペー(Pae)さん、インドネシアスタジオのランタウ(Rantau)さんに、デザインに込めた想いを伺いました。

Working

ADV150のデザインについて伺う前に、まずタイ、インドネシアの人々の暮らしや現地のバイクの利用状況をお聞かせください。

ペー
ペー

タイ都市部の通勤では、日本に比べてバイク利用者が非常に多いです。電車やバスのインフラが日本のように発達していないし、タイの人は歩くのもあまり好まないので。だからバイク通勤が多いのだと思います。

キム
キム

ちなみに渋滞もひどいです(笑)。結果クルマよりバイクのほうが移動しやすいんです。

ランタウ
ランタウ

インドネシアはタイよりも渋滞がひどくて、道路事情も舗装環境もメチャメチャ(笑)。バイクを日常の足として使用する人はとても多く、バイクが生活に欠かせないものになっています。

キム
キム

そんな通勤事情だからこそ、日々、少しでも遊びの感覚があるといいなと思うんです。だから、アドベンチャースタイルのADV150で通勤が楽しくなれば、と思います。

毎日の通勤が楽しくなるのは素敵ですね。ちなみに、インドネシアとタイでバイクの利用状況が異なる中、両国間でデザインを進めるにあたり、開発はどのように行われたのでしょうか。

ランタウ
ランタウ

まず、インドネシアの都市部でユーザー調査を行ったところ、アドベンチャースタイルにポテンシャルがあるという結果が出ました。この調査には、グローバルなアイデアを創出するためインドネシアとタイのデザイナーの他に、イタリアのマーケティングメンバーも参加したんですよ。

キム
キム

X-ADVのイメージを踏襲したのは、タフでアドベンチャーな要素を入れたかったからです。世界中のお客さまの冒険心をかきたてるような新しいライフスタイルを届けるため、タイとインドネシアに日本とヨーロッパを加えた4カ国でデザインコンペティションを行い、タイのデザイン提案が採用されました。

ランタウ
ランタウ

結果はちょっと悲しかったですけど(苦笑)、確かにタイのスケッチがもっとも斬新で、グローバルな視点が取り入れられていたと思いました。

ペー
ペー

4カ国のデザイナーで意見をすり合わせられたことで、よりアクティブさが感じられるデザインになったと思います。

日常の足としてバイクに乗る人が非常に多いというタイとインドネシアのライフスタイル。4カ国によるデザインコンペティションによってスタイリングが決定したADV150は、タフで冒険心をかきたてるデザインにより、普段の通勤に大きなワクワク感をプラスしてくれることでしょう。

Sunday Morning Ride

週末の朝、仲間でツーリングするライフスタイルがあると聞きました。具体的に教えてください。

ランタウ
ランタウ

インドネシアでは、Sunday Morning Rideという週末の朝に仲間と遠方にツーリングすることが流行っていて、通称“SUNMORI”と呼んでいます。早朝の涼しい時間帯、朝の5時頃集合してみんなでツーリング、屋台で朝食のお粥を食べて朝10時頃には解散します。渋滞の少ない週末の朝に街中を走る“Rolling tandem(ローリングタンデム)”というのもありますよ。

5時とは……、早いですね(笑)。ツーリングではどんな場所に行くことが多いですか。

キム
キム

必ず立ち寄るのはカフェです。タイでは数年前から本格コーヒーがブームとなっていて、豆を挽いてから淹れてくれるお店も増えています。せっかくの休みだから雰囲気のいいお店でコーヒーを飲みたいという感覚は、日本だけではなく、全世界で共有できるものだと思います。

ペー
ペー

ランドマークや自然の豊かな場所に行くことも多いですし、郊外の学校に行って寄付をすることもあります。タイは仏教国なので、有名な寺院を訪れて仏像を参拝することもしますね。

ランタウ
ランタウ

インドネシアでは、ジャカルタから離れた山や海へ行きます。山を走ればワインディングがあるので、バイクだと特にコーナーリングが面白い。島国だから海へのアクセスも楽ですし、きれいなビーチや観光地でその地域の料理を食べたり、こだわりのカフェで一杯嗜んだりしています。最近のインドネシアの人々は、食事の前にお祈りではなく、食べ物の写真を撮るようになってきました(笑)。もちろんセルフィーも撮ってSNSにアップしますよ。

キム
キム

週末のちょっとした時間のツーリングでも、今まで以上に楽しめるのは、アドベンチャースタイルのスクーターならではなのかもしれませんね。

ツーリングで寄付に行くとは驚きました。タイならではのカルチャーですね。一方で、美味しいものを食べに、良い景色を求めて走るのは、世界共通の楽しみだと思います。まさにADV150は、様々な国において、日常を楽しくしてくれる相棒になりそうです。

Committee

他には、どのようなバイクの楽しみ方がありますか。

ペー
ペー

SNSで走る日を決めて仲間とツーリングをします。ちなみに、私もADV150のオーナーでクラブに所属しています。走るだけでなく仲間とのつながりが充実する点でも、本当にいいバイクですよ(笑)。

新しいバイク仲間とはどのようにして出会いますか。

ペー
ペー

タイでは、SNSでツーリングの友達を募ります。年齢は30代が中心ですが、年配の方もいます。

ランタウ
ランタウ

インドネシアでもSNSで募ることが多いですよ。実際に“Honda ADV150 Indonesia”というコミュニティーがあります。彼らはSNSを使って週末の朝に集まり、毎週違う遠方へツーリングに行きます。メンバーは30代の男性が多いですが、女性もいます。彼らが集まるのは、走りを楽しみたいのはもちろんですが、なにより共通の趣味を持った仲間同士でおしゃべりを楽しみたいのもありますよね。

キム
キム

バイクを通じて仲間とワイワイ楽しむという感覚は共通していると思います。ADV150がそんな楽しい時間を後押ししてくれるとうれしいですね。

バイクという趣味を介して仲間と集まり、コミュニケーションをとる――。SNSで仲間を見つけるのは、どこの国も一緒ですね。ADV150をきっかけとして人と人がつながることで、走るだけじゃない、バイクの新しい楽しみ方が広がるように感じます。

Any Road

通勤も遊びのときも走ることで楽しみを与えてくれるADV150について、改めて魅力を教えてください。

キム
キム

市街地での使い勝手のよさやツーリングでの快適性もありますが、冒険心をかきたてるスタイリングなので、今までは行こうと思わなかったところへも行きたくなってしまうことですね。

ペー
ペー

ある程度荒れた路面でも、ワイドなハンドルとアップライトなライディングポジションなどによって、走行時の安心感も魅力的です。

ランタウ
ランタウ

ビューポイントが高いので、乗っていて視界が広がり、景色を楽しみながら走れるところですね。また、正面から見たときのタフでアグレッシブなデザインが気持ちを盛り立ててくれるのでおのずといろいろなところに行きたくなると思います。

ありがとうございます。最後に、日本の街中をADV150が走るシーンはイメージできますか。

キム
キム

もちろん! 私は日本で2年間暮らしましたが、タイに比べて涼しいし、道もきれいだし(笑)。四季折々の自然が豊かで、各地には有名な歴史的建造物も多い。少し遠出をすればおいしいお店もたくさんあります。ADV150で出かけたくなる目的地に事欠きませんよね。国は違っても、走ることによって日常をアドベンチャーに変えてくれる魅力や、そこから生まれる楽しさは世界共通だと思います。ぜひADV150でエンジョイライフしてください!

オン/オフを問わず毎日の生活を楽しくしてくれるADV150。冒険心をかきたてるデザインには、日本のアウトドアライフで多用したくなる魅力が詰まっています。

 

デザイナー

キム

所属:タイスタジオ
役職:マネージャー
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ペー

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ランタウ

所属:インドネシアスタジオ もっと見る 閉じる ランタウ

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Detail

スタイリング
“アーバンエクスプローラー”をテーマに、グローバルモデルにふさわしいスタイリングを念頭にデザインを行いました。ボディ全体のボリュームを高く、かつ前後に凝縮したプロポーションにすることで、前後タイヤの踏ん張り感を強調。先進のスクーターイメージと、高い走破性を感じさせるアドベンチャーテイストを併せ持つスタイリングを狙いました。未来的でタフなイメージを生み出すため、外装のみならず機能部品を含めメカニカルな構成としています。

カラーリング
2トーンカラーは、アフリカツインやX-ADVと同様の赤/白/黒のグラフィックにより、アドベンチャーイメージを演出。一方、モノトーンカラーはチタンやカーボンなどの硬質で上質なマテリアルを感じさせるカラーリングで、タフでありながらも洗練されたイメージを表現しました。

フロント周り
ヘッドライトのガードを思わせるマットカラーのパーツで、堅牢さとアグレッシブさを演出。シャープな二眼ライトと併せ、個性的なフロントフェイスを生み出しました。

メーターコンソール
液晶ディスプレイを高い位置に独立させることで、アドベンチャーマシンに求められる走行中の視認性の高さと広い視野を実現。液晶ディスプレイとインジケーターは、ラリーマシンを思わせる上下2段の構成とし、液晶表示はメカニカルなテイストを感じさせつつも、整理された見やすいグラフィック表示を狙いました。

フロアアンダーカバー/ 足回り
しっかりと保護されている印象をライダーに与えることで、道路状況が変化しても安定した一体感を感じられるようにデザインしました。スイングアームやサスペンション、ホイールなどの足回りのパーツはアドベンチャーイメージをより強調するために、力強いが軽快感のある造形としました。

アジャスタブルスクリーン
2段階の調節可能なスクリーンは、アグレッシブなフロント周りと調和するメカニカルな形状としました。空力性能とデザインを両立することで、視界を遮ることなく走行中のストレスを軽減することができます。

『X』型テールライト
アルファベットの『X』をモチーフとした立体的なテールライトの造形で、フロント周り同様、リア周りのアグレッシブな個性を生み出しました。

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