経営 2024.01.11

新グローバルEV「Honda 0シリーズ」をCES 2024で発表。「SALOON」と「SPACE-HUB」が示す、Hondaの電動化へのアプローチ

新グローバルEV「Honda 0シリーズ」をCES 2024で発表。「SALOON」と「SPACE-HUB」が示す、Hondaの電動化へのアプローチ

2024年1月9日(日本時間1月10日)にラスベガスで開催された「CES 2024」で、Hondaは新グローバルEV「Honda 0シリーズ」と、そのコンセプトモデルとなる「SALOON」「SPACE-HUB」を発表。Hondaが目指すEVの方向性を紹介します。

先進のテクノロジーが集うCES 2024

2024年1月9日〜12日(現地日時)、Hondaは米国ネバダ州ラスベガス市で開催の「CES 2024」に出展。会期初日の1月9日に、新たなグローバルEVシリーズを世界に向けて公開しました。

CESは、先進技術や革新的な製品が集まる、世界最大級のテクノロジー見本市。未来のライフスタイルやビジネスに影響を与えるトレンド発信地となっています。

EVを取り巻く状況とHonda変革への決意

近年、街中で少しずつ見かけるようになったEVは、長い航続距離を確保するためにバッテリー搭載量が増加し、それを支えるため、車体やプラットフォームもおのずと大きく重くなります。また、特徴としてIoTやコネクテッド技術などのデジタル技術が搭載されることから、「Thick, Heavy, but Smart(厚くて重い、けれどもスマート)」となる傾向にあります。しかし、Hondaが夢見るモビリティはその延長線上にはありません。

Hondaがクルマづくりにおいて大切にしてきた「M・M思想(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)」と「操る喜び」。我々はその原点に立ち返るとともに「ゼロから新しい価値を創る道」を選びました。そして「Thin, Light, and Wise(薄い、軽い、賢い)」というEV開発のアプローチに至り、これにより性能やデザイン、空間価値の可能性を追い求めます。これが、Hondaが今回提示した「Honda 0シリーズ」です。

Thin:フロア高を抑えた”薄い”EV専用プラットフォームにより、低全高のスタイルなどデザインの可能性を拡張するとともに、高い空力性能を実現

Light:原点に立ち返って生み出した独自技術で、これまでのEVの定説を覆す軽快な走りと電費性能を実現

Wise:これまで培ってきた知見と知能化技術の進化により、クルマそのものが賢くなる、Honda独自のソフトウェアデファインドモビリティを実現

具体的には、専用に開発したアーキテクチャーを軸に「①共鳴を呼ぶ芸術的なデザイン」「②安全・安心のAD/ADAS」「③IoT・コネクテッドによる新たな空間価値」「④人車一体の操る喜び」「⑤高い電費性能」という5つのコアバリューを提供していきます。

Hondaが夢見るモビリティを具現化させた「Honda 0シリーズ」

「Honda 0シリーズ」には「原点に立ち返り新しい価値を創る」以外にも、「ゼロ」への思いが込められています。

「ゼロ」から創った価値で人の心を動かすグローバルブランドスローガン「The Power of Dreams – How we move you.」のもと、常に「夢」を動機に、ゼロからの独創的な発想で新価値創造に取り組むことで、お客様にとっても新たな起点となる体験を提供し、人を動かし、心を動かしていくという思い。

そして、企業活動を含めたライフサイクルでの「環境負荷ゼロ」、Hondaの二輪・四輪が関与する「交通事故死者ゼロ」の達成に向けた決意です。

「Honda 0シリーズ」は従来の常識をゼロにし、全く新しい価値をつくり出そうという決意の表れでもあります。そして、そのコンセプトモデルが「SALOON」と「SPACE-HUB」です。

「Honda 0シリーズ」のフラッグシップコンセプトモデルである「SALOON」。EV専用アーキテクチャーにより、デザインの自由度を拡張。低全高でスポーティーなスタイルと、外観からは想像できないほどの広い室内空間を両立している 「Honda 0シリーズ」のフラッグシップコンセプトモデルである「SALOON」。EV専用アーキテクチャーにより、デザインの自由度を拡張。低全高でスポーティーなスタイルと、外観からは想像できないほどの広い室内空間を両立している
「人々の暮らしの拡張」を提供することをテーマに開発したモビリティ。「フレキシブルな空間を備え、人と人、人と社会をつなぐハブとなり共鳴を生み出す」という思いを込めている 「人々の暮らしの拡張」を提供することをテーマに開発したモビリティ。「フレキシブルな空間を備え、人と人、人と社会をつなぐハブとなり共鳴を生み出す」という思いを込めている
「Honda 0シリーズ」を含むHondaの次世代EVに採用する新「Hマーク」。原点を超え、挑戦と進化を絶えず追い求める企業姿勢を表現している 「Honda 0シリーズ」を含むHondaの次世代EVに採用する新「Hマーク」。原点を超え、挑戦と進化を絶えず追い求める企業姿勢を表現している

今回のCES 2024で発表した「Honda 0シリーズ」は、新Hマークとともに2026年に第1弾を投入。北米、日本、アジア、欧州、アフリカ・中東、南米とグローバルで展開していきます。

社長・三部が語る新EVシリーズ「Honda 0シリーズ」への思い

三部
三部

HondaはEVの開発アプローチを「Thin, Light, and Wise」と表現しました。薄いプラットフォーム、高さ方向に薄い低全高スタイルが、魅惑的なデザインと空力性能を実現する「Thin」。独自技術で、これまでのEVの定説を覆すEVの軽さを実現する「Light」。75年のものづくりで培った技術、哲学、そして魂をクルマのすみずみに投入し、スマートという言葉では言い表せないEVの価値を創造する「Wise」。それらは、現在のEVの潮流とは異なりますが、本来のクルマの楽しさは移動そのものにあるはず。「お客さまに喜ばれるクルマとは何か?」を徹底的に考え抜き、Hondaが大切にする「M・M思想」と「操る喜び」を突き詰め辿り着いたのが「Thin, Light, and Wise」です。

三部
三部

これまでのHondaのEVは、地域の特性に合わせて投入してきました。我々にとって、EVで初めてグローバルで展開するのが「Honda 0シリーズ」です。大きく変革するHondaを象徴しており、だからこそ、世界から注目されるCESで発表することに決めました。私が社長に就任したときから目標としている「環境負荷ゼロ」と「交通事故死者ゼロ」も、「Honda 0シリーズ」によってさらに推し進めることができるでしょう。そうした大きな変革に対峙するのは、プレッシャーとともにやり甲斐を感じています。Hondaが大切にしてきた「自由な移動の喜び」をさらに進化させ、皆さまに新たな価値をお届けできればと思います。


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