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製品 2021.03.26

e:HEV解体新書(2) e:HEVでハイブリッドを初体験したHUFFPOSTスタッフは、何を感じた?

e:HEV解体新書(2) e:HEVでハイブリッドを初体験したHUFFPOSTスタッフは、何を感じた?

世界中の政治、経済からアートやカルチャーに至るまで、あらゆるニュースを網羅するHUFFPOST(ハフポスト)より、”車離れ”を実感するスタッフさんが、Hondaへ来訪。e:HEV搭載のFITに試乗しました。ハイブリッド車に乗るのは初めてというものの、そこで見えてきたもの、感じたことをありのままに綴ってくれました。

(取材:鈴木保浩 / ハフポスト日本版 パートナースタジオ)

特集「e:HEV解体新書」

「いちおう免許は持ってるけど、クルマ買うってほどじゃないんだよね」

都心住まいの僕の知人には、そんなふうに言う人が多い。確かに都内の移動は電車とタクシーで事足りるし、駐車場代も保険料も馬鹿にならない。たまに旅行に行くときはレンタカーがあるし。

運転するのは好き、という人でも、「自家用車を持つのは環境に悪い」というスタンスでカーシェアリングを選ぶという声も聞く。

今、都心を中心に車離れが進む中で、自動車メーカーはどんな思いでものづくりに取り組んでいるのだろう? 今回、Hondaの商品ブランド部の方にお話を聞く機会をいただいた僕は、日々抱いている疑問をぶつけてみた。

井村圭佑(いむら けいすけ)さん(本田技研工業株式会社日本本部 商品ブランド部 商品企画課 チーフ) 井村圭佑(いむら けいすけ)さん(本田技研工業株式会社日本本部 商品ブランド部 商品企画課 チーフ)

知らない世界があったことをクルマが教えてくれた

鈴木保浩(以下・鈴木)
鈴木保浩(以下・鈴木)

「僕、3年前にクルマを買ったんですよ。でも、『クルマ=環境に悪い』という思いが先行して、普通のガソリン車はまずいのかな、と。それで安直なんですけど、ディーゼル車にしたんです」

鈴木
鈴木

「そういえば、僕、クルマを買ってからめちゃくちゃ世界が広がったんですよ。クルマがあることで、ディズニーランドものんびり行けるし、コストコの行列にも並べる。週末にはちょっと遠い公園まで足を伸ばしてしまったりして……今まで公園なんて、ぜんぜん興味なかったのに(笑)」

井村
井村

「クルマがある生活って、純粋に楽しいですよね。運転そのものもそうですが、自分の行動範囲が広がって、見えてくる世界が変わると思います」

鈴木
鈴木

「『クルマなんて必要ないっしょ』って僕も昔は思っていたけど、一概にそう言うのは勿体ないと思いました」

井村
井村

「とはいえ、昔と比べてお給料も上がらない時代ですし、特に都心だと、地方みたいに『足』としての生活必需品にはならないから、お金をかける優先順位が低くなってしまうのも分かります。

なので、我々はリースやカーシェアリングのようなクルマの持ち方のご提案もしています。例えばHondaのカーシェアリングサービスである『Honda EveryGo(エブリゴー)』は会員数を急速に伸ばしているのですが、その半数が20代、30代なんです」

鈴木
鈴木

「そうなんですか! 若い世代ってクルマに興味ないのかと思ってました」

井村
井村

「クルマがある生活と一口に言っても、昔より選択肢が増えているんだと思います。だからお客様のありとあらゆるライフスタイルに応えるために、改めて『すべての人に、「生活の可能性が拡がる喜び」を提供する』というビジョンは大切だな、と」

ハイブリッド初体験で覆された「思い込み」

ここで、Hondaのハイブリッド技術「e:HEV」を搭載したFITに試乗させてもらうことに。実は、僕はハイブリッド車に乗るのは初めてで、「燃費がいい(のか?)」くらいの、ほとんど知識ゼロの状態。

Hondaの青山本社からスタートし、外苑前の銀杏並木なども含んだコースでゆったり走りながら、井村さんが丁寧に教えてくれた。

鈴木
鈴木

「なんだろう、運転してて、すごくストレスがないです。ガソリン車とか、ディーゼル車ってゴワゴワしているというか、もっと踏み込みが必要だったりするんですけど」

井村
井村

「そうですね、そこはEV(電気自動車)らしいというか、スーッと走れるから疲れないメリットはありますね」

鈴木
鈴木

「なるほど……あの、本当に恐縮なんですけど、すごく素人なこと聞いてもいいですか?」

井村
井村

「もちろん! なんでしょう」

鈴木
鈴木

「ハイブリッドってことは、ガソリンで動くエンジンと、電気で動くモーターの2つで走ってる、ということですよね。電気のほうは、充電ってどうやるんですか?」

井村
井村

「乗っていると自然に充電されます。エンジンを発電機として使っているのと、あとは、『回生ブレーキ』というんですが、ブレーキを踏むとタイヤの止まるエネルギーを電力に変換するんです。つまり、長い下り坂を走ればどんどんバッテリーが溜まっていくということですね」

鈴木
鈴木

「そうだったんですか! なんでだろう、充電とか、メンテナンスが面倒だという思い込みがありました……。燃費はどうですか?」

井村
井村

「ガソリン車の1.5倍くらいいいですよ。この『e:HEV』は本当に賢くて、状況に応じて、エンジンを止めてEVで走ったり、発電しながらモーターで走ったり、ということを自動的にしてくれるんです。

例えば、日常生活で街中を走る際はほぼモーターで、ちょっとスピードが必要な時はモーターならではのスーッと加速する快適さがあります。高速道路などの、高速巡行の場合は、エンジン駆動で走った方が効率がいいので、勝手に切り替わります」

鈴木
鈴木

「ほんとだ。今このモニターで、ピコピコ切り替わってる様子が見えますね。でも、運転中に切り替わるときの違和感はまったくないです」

エンジンとモーターの切り替えはモニターで常に表示される。他にも、制限速度や「止まれ」「一方通行」などの標識も表示される。これはカメラで読み込んでいるそう。何から何まで賢いクルマで感動してしまった。 エンジンとモーターの切り替えはモニターで常に表示される。他にも、制限速度や「止まれ」「一方通行」などの標識も表示される。これはカメラで読み込んでいるそう。何から何まで賢いクルマで感動してしまった。
井村
井村

「もともと、『e:HEV』は、ODYSSEYなどの大型の車種に搭載することを視野に入れて開発されていました。それを、FITのようなコンパクトなクルマに搭載するために、技術の力で小さくしたんです」

鈴木
鈴木

「それは贅沢なことですよね。工業製品って、電話とか、コンピューターとかも、『小型化』が一番難しいっていうから、技術力も相当なものなんでしょうね」

井村
井村

「多くのトライ・アンド・エラーがありました。今、ものすごく静かでしょう。開発当初は、モーターが新幹線みたいな『ゴーッ』って音を立ててしまって大変だったんです。あと、お客様にくつろいでいただけるように、キャビンのスペースを広く取るにも苦労がありました」

鈴木
鈴木

「乗る人のことを徹底的に考えてるんですね」

井村
井村

「それがHondaのよさだと思っています。何事にも人間中心で考えるところですね。電気を使って走るクルマはたくさんのメーカーさんが出されていますが、Hondaは、気持ちよく走る体験をお客様に届けるため、『エンジンのメリットを活かす』という道を選びました。

昔から『エンジンのHonda』『走りのHonda』と言われていましたが、そのHondaが電気と出会ったらこうなった、というのが『e:HEV』なんです」

Hondaが大切にしてきた「喜び」の哲学

楽しそうに説明してくれる井村さんの様子からは、Hondaという会社と、クルマへの愛がひしひしと伝わってきた。新卒で入社した井村さんは、「クルマ一台つくるのに、こんなにたくさんの人が関わっているんだ」ということを知り、感動したんだそう。

鈴木
鈴木

「もともと、クルマは好きだったんですか?」

井村
井村

「好きです。それこそ親の代からでした。ODYSSEYでいろんなところに連れて行ってもらったことを思い出しますね。そのODYSSEYが売られてしまうときは相当泣いた記憶があります(笑)。初めて自分で買ったクルマはINSIGHTでした」

鈴木
鈴木

「子供の頃の経験って、すごく大事ですよね」

井村
井村

「大事です。僕も、自分の子供には同じように思い出を残してあげたいな、って思うんですよ」

鈴木
鈴木

「お話を聞いていて、そういう、人の思い出や愛着でブランドのファンはつくられていくんだな、と思いました。井村さんもHondaのファンなわけですよね」

井村
井村

「そうですね。この会社では『3つの喜び』というのをフィロソフィーに掲げています。『買う喜び』『売る喜び』『創る喜び』です。この喜びに出会ったたくさんのファンが社内にも社外にもいて、Hondaを支えていると思います。

お客様に『Hondaって面白い会社だな』と思ってもらい、ファンになっていただけるよう、これからも努力していきたいです」

燃費はいいのか、環境への影響はどうなのか……今、社会にはたくさんの情報があふれている。選択を迫られる中で、僕たちは「楽しい」という純粋な気持ち、モノに愛着を持つことの喜びを忘れてしまいがちだ。

取材中に運転しながら、僕は改めて、クルマが見せてくれる新しい世界や、運転する喜びについて考えさせられた。

走りの楽しさを忘れない、次世代のHondaフィーリングを届ける「e:HEV」。詳しくはこちらから。

※新型コロナウイルス感染症対策を実施した上で取材・撮影を実施しています。

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