Honda SPORTS

第76回 都市対抗野球大会 Honda 鈴鹿硬式野球部

1回戦

第76回都市対抗野球大会

8月25日 14:00
試合会場:東京ドーム

チーム名 1 2 3 4 5 6 7 8 9
Honda鈴鹿硬式野球部 0 0 3 0 0 0 0 0 2 5
JR東日本東北 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

Honda、自慢の投手陣が完封リレー
立ち上がりに硬さが出るも、予選の勢いそのまま

 激戦の東海地区第二次予選を3試合連続のサヨナラ勝ちという離れ業で代表権を獲得したHonda鈴鹿。その勢いは、本大会に入っても衰えていなかった。それでも、さすがに立ち上がりは硬く、初回は四球で出た戸田が、福家投手(仙台商→JT)の巧みなけん制におびき出されて結果は生きたものの、一塁ゴロで本塁で刺されたり、その後に宮川が一塁けん制で刺されるというちぐはぐなものだった。先発の高宮も立ち上がりやや球が上ずり気味だった。

 さすがに與本監督も2回ベンチ前に円陣を組んだ時に、「お前ら何か、めちゃくちゃ小さなっとるぞ。普通にやろうや」と声をかけた。実は、監督自身もドーム初采配であり、3年ぶり出場ということもあって、どことなくチーム全体に変な緊張感があったのかもしれない。前の試合が早く終わったために、待ち時間が少し長くなったことも、緊張感を助長したともいえようか。

 そんな緊張を一転させたのが、3回だった。西崎が右中間を破って二塁打で出ると、戸田四球で一二塁。具志のバントで1死二三塁としたところで、新人・宮川がライトスタンドへ一直線の3ランを放って三塁側スタンドは一気に沸いた。「宮川が打ったのは大きいですよ。アイツが打てるんなら、みんな打てるぞという気にはなりましたからね。もっとも、なかなか点にはなりませんでしたが・・・」與本監督も、宮川の本塁打は、単なる3点以上の精神的な意味でも大きかったと評価した。

 この3点で、高宮投手もすっかりリラックスして、安打は許しながらも要所はきっちりと締めて、さすがにプロ注目の逸材らしい片鱗は十分に示した。「今のままでも、プロに入って4~5勝は出来るんじゃないですか。とくに、低めの球の伸びがよく、スライダーの切れは抜群です」というスカウトの評価もある。結局、8回無死一二塁のピンチを併殺で切り抜けたところで、久武にマウンドをゆずった。完封も期待されるところだったが、ここは、「とにかく、相手の四番の大瀧(仙台育英)だけ抑えてくれたら、球数のこともあったので結果はどうであれそこで交替」と決めていたそうだが、それを一番いい形で切り抜けるあたりに、素材力の高さが窺われる。

 ピンチを逃れて勢いづいたHonda鈴鹿は9回、西崎、具志、宮川の安打で作った満塁のチャンスに、主砲・上出が中前タイムリー打を放ちダメを押した。「高宮がいいピッチングをしていたので、何とか助けてやりたかったんですけれども、結局3点しか助けられなかったんで、最後に打ててよかったです。途中まではやっていても苦しい展開でしたが、これで楽になれました」上出は、チームリーダーとしても、自分の責任を果たせたことに安堵していた。

 次は、一昨年の優勝チーム・三菱ふそう川崎だ。上位進出を目指すためには、避けられない強豪である。「昨日、狭山の試合を見て、気持ちが引き締まった」というチームは、完封勝利で意気も上がり、さらに気持ちを引き締きしめ、次の強豪に挑む。