東南アジアの交通安全教育のパイオニアとして
国と共に歩んだ33年

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日付:2022年06月

Thai Honda 
副社長/安全運転普及本部長 
アラック・ポーンプラパー

Thai Hondaはタイにおける安全運転普及活動を1989年からスタートしました。
今回は、そのタイでの活動内容をThai Honda アラック・ポーンプラパーより紹介します。

安全運転普及活動に込めた想い

安全運転普及活動がスタートした1989年は、バイク市場の急拡大に伴い交通事故件数が増加し、バイクのイメージは 「危険なもの」 となっていました。そこで将来にわたってバイクを社会に受け入れてもらいたいという想いから、お客さまの安全を守ることと事業存続を目的に、日本と同様に安全運転普及本部を設置しました。

安全運転を多くの人々に普及していくため、活動初期はインストラクターを育成することに注力しました。その後、交通教育センターを開設し、幅広いお客さま層に教育を届けるとともに、たくさんの啓発冊子や広告なども制作・展開しました。
一方で、ヘルメット着用やバイクの免許制度などの法整備に関わる取り組みも、国と一体になって積極的に進めてきました。また近年では、APT※1のような新しいツールを開発すると同時に、普及に力を入れた結果、二輪免許の試験問題として採用される事も決まりました。そして、これまで33年間にわたり、安全運転のリーディングカンパニーとして様々なソリューションを提案し、お客さまとタイの社会に安全を通して質の高い生活を提供することに力を注いだ結果、昨年、「国の宝」※2として栄誉賞を受賞することができました。

  1. ”Accident Prediction Training”の略。日本のKYT(危険予測トレーニング)にならって開発された、タイ版のKYT。2022年末から二輪免許試験問題として活用開始予定
  2. 2021年9月9日、Honda Safety Thailandの名において受賞
安運活動を開始した1989年頃の様子
安運活動を開始した1989年頃の様子
左上:納車前にお客さまに行う安全運転指導のパンフレット 右上:APTに登場するキャラクター
左上:納車前にお客さまに行う安全運転指導のパンフレット 
右上:APTに登場するキャラクター 
左下:APTのワンシーン 
右下:授賞式の様子

Thai Hondaの安全運転普及活動で特に力を入れていること

現在力を入れていることは主に2点あり、
①こどもから大人へ
②内から外へ
という二つのアプローチで安全運転マインドの形成に取り組んでいます。

① こどもから大人へ:大人になった時に良い習慣を身につけておくためには、早い時期から教育を始めなければならないという考えに基づいてプログラムを提供しています。「Safety for Kids」※3を実施し、こどもの頃からの教育に力を入れています。

② 内から外へ:「事故ゼロ社会プロジェクト」として組織内からスタートし、成功事例を外部にも共有し、多くの人に展開していく計画です。組織内で取り組んでいることの一部を挙げると、通勤でバイクを使用する人への乗車訓練、新入社員へのトレーニング、連休前に行う安全運転意識向上のための研修、事故が一定期間なかった社員への表彰などがあります。

  1. 小学生の時期から安全教育をスタートさせ、ヘルメットの正しい被り方や道路の渡り方などを教育している
こども向け教育
こども向け教育

「2050年に全世界でHondaの二輪車・四輪車が関与する交通死者ゼロを目指す」にあたって

交通事故をゼロにすることは、Hondaの企業としての存続にわる責任ある仕事であり、私たちにとっても非常にチャレンジングな目標でもあります。
2050年の目標を達成するために、「事故ゼロ社会プロジェクト」を徹底させ、自らが模範となるようにしていきたいと考えています。

私たちの決意としては、すべての人に最高の交通安全教育を提供し、常に支援していくことです。しかしながら、依然としてタイの交通事故は、国の発展と私たちのビジネスにとって深刻な問題です。バイクの利用が多い大都市では、交通渋滞が深刻な問題になっています。特に、デリバリーライダーの危険な運転行動が大きな問題となっており、安全対策をしていかなければならないと認識しています。こうした最新動向を注視しながら、私たちは、引き続き交通事故をゼロにするための活動に全力で取り組んでいきたいと思います。

  • Zero Accidentを呼びかけるイベント
    Zero Accidentを呼びかけるイベント
  • バンコク市内で撮影
    バンコク市内で撮影
Thai Honda アラック・ポーンプラパー Alaksh Phornprapha

Thai Hondaアラック・ポーンプラパーAlaksh Phornprapha

Thai Honda副社長・安全運転普及本部長を兼任。日本でHondaの専門教育を受けてインストラクターの資格も取得し、タイにおける安全運転普及活動を社内外でリーディングしている。