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里地里山保全活動TOP Hondaの取組み レポート キソ知識

実施日
参加人数
2022年9月3日(土)
44名

参加団体

Honda従業員とその家族
NPO法人森のライフスタイル研究所

人の手が入ることによって保たれ、
多様な生き物を育む場となってきた里地里山。
Hondaは、荒廃が進む里地里山の
再生を目的に保全活動を行っています。
今回は冬野菜の植え付けを行う畑作活動を実施。
従業員とその家族が参加した
活動の様子をレポートします。

Hondaの「里地里山保全活動」とは?

Hondaでは里地里山保全活動として、植林や間伐などを体験できる里山保全活動、畝作りから苗植え、収穫までを体験する畑作活動、そして棚田での米作りを行う水田復元活動の主に3つの取り組みをしています。子どもたちの環境教育の場ともなるこれらの活動を通じて、環境保全への意識と取り組みを次世代へとつないできたいと考えています。

なぜ今、里地里山の保全を?

植物、虫や鳥、野生動物といったさまざまな生物が共生する、まさに生物多様性の宝庫である里地里山。かつては人の暮らしのそばに存在し、守られてきた里地里山ですが、現代人のライフスタイルの変化とともに急速に失われつつあります。生態系にも影響を及ぼすこの現況を変え、命を育む大切な自然環境を次世代へ引き継ぐために、里地里山の再生と保全活動が今求められています。

活動拠点は、都内有数の緑地
「八王子市上川の里」

八王子市とあきる野市の境にある特別緑地保全地区「上川の里」は、東京都にありながら森林や田んぼが広がり、農業や稲作風景なども見られる自然豊かな場所です。一歩足を踏み入れれば、草むらを飛び交う赤トンボ、コオロギやバッタ、田んぼで声を響かせるカエルたち、木々の間を自由に飛び回る複数種の野鳥の姿など、さまざまな命の営みに出会うことができます。

Hondaは2020年に八王子市と活動協定を締結し、この上川の里で里地里山保全活動を開始しました。

八王子市上川の里での活動について
詳しくはこちら

土壌づくりから冬野菜の植え付けまで
里地里山の自然と生き物を
身近に感じられた1日に密着!

ラジオ体操でウォーミングアップして、
活動をスタート!

当日は前日までの雨予報が見事に外れ、晴れ間も見える残暑厳しい夏日。開会式ではスタッフから熱中症とぬかるむ足元への注意喚起があった後、ウォーミングアップを兼ねてラジオ体操を実施しました。子どもも大人も身体をしっかりほぐすと、いよいよ畑仕事に挑みます。

まずは、おいしい野菜づくりに欠かせ
ない土壌づくりから

耕作道具を持って畑へ移動すると、まず取り組んだのは土壌づくり。土壌づくりは、土の水はけや通気性を良くし、野菜がよく育つために不可欠な作業です。多くの参加者は普段畑仕事をする機会がないということで、どんなことをやるのかワクワクとした様子でスタッフの説明を聞いていました。

参加者は2チームに分かれると、畑の土の掘り返しを開始。畑の状態が良ければ通常はHondaの耕うん機を使って行う作業ですが、今回は前日までの雨で土がぬかるんでいたため使用ができず、代わりにクワを使っての作業です。子どもの参加者の中には初めてクワを持つという子も多く、お父さんお母さんの手を借りながら、土を一生懸命土掘り起こしていきます。

力を合わせて畝づくりと
マルチシート掛けに挑戦!

土壌づくりが終わった後は、掘り起こした土を盛り上げて約10センチの高さの畝を作っていきます。畝は苗や種を植える際に、土の排水性を良くしたり、野菜の根を付きやすくさせるのに役立つものです。普段やらない作業に子どもも大人も汗がびっしょり!タオルで汗を拭きながら、畝を作っていきます。

畝づくりが完了したら、防虫や病気予防、雑草除去などに効果のあるマルチシートを張っていきます。今までやったことのない作業でも、好奇心旺盛な子ども達はどんどん挑戦し、持ち前の集中力と積極性を発揮しながら、自発的に動くようになる姿が各所で見られました。子ども達同士でシートロールの両端を持ち合って、「心を一つに!」というスタッフの呼びかけに応えるように力を合わせてシート張り作業を完成させます。

白菜の苗植え&ニンジンと大根の種まき!
傷つけないようにやさしく植えよう

シート張りをしたら、いよいよ白菜の苗植えです。参加者は等間隔に開けられたシートの穴の土を軽く掘り、両手にすっぽりと納まるサイズの苗を、根っこが傷つかないようにやさしくていねいに植え付けていきます。
ニンジンと大根の種まきでは、植える用にピンクに着色された種を、指で土に掘った小さな穴に、こちらもやさしく植えていきます。子ども達の中には今回植える野菜の種を初めて見た子もおり、普段食べている野菜がこんなに小さな種からできていることに驚いていました。
また、子ども達は土の中にいる虫にも興味深々。お父さんお母さんに「見つけたよ!」とうれしそうに報告し、自然にふれる楽しさや大切さを無意識に学んでいたようです。活動開始時には虫を怖がっていたのに、活動の中ですっかりさわれるようになった子もおり、お母さんが驚く姿も見られました。

畝に防虫ネットを掛けて
すべての植え付け作業が完了!

すべての畝に種をまき終えた後は、最後の総仕上げ。先程マルチシートを張った白菜の畝に防虫ネットを掛けていきます。この頃になると体力切れや虫探しに興味が移る子が続出。虫探しチームが虫を追いかける一方、大人と大きな子たちが中心に仕上げの作業を進めていきます。野菜がしっかり守られるように、土に支柱を差してアーチを作り、防虫ネットをかぶせていくと、すべての植え付け作業が完了です。

子どもも大人も泥だらけになる程夢中になった今回の畑作活動。
活動を通して印象的だったのは、さまざまな生き物にふれながら自ら作物を育てる経験をする中で、活動開始時は自然に対する興味が薄かった子どもも、活動終了時には虫にさわれるようになったり、自然の中へ積極的に入っていくようになったりなど、自然をより身近なものと感じられるようになっていく姿でした。
作物を育てる大変さへの気づきや生き物との出会い、そして家族や従業員同士の交流など、参加者にとってさまざまなモノを得られた一日になったようです。参加者全員の顔に、晴れ晴れとした笑顔と汗が光っていました。

今回植えた冬野菜は
11月に収穫を予定!

今回植えた冬野菜は、
11月に従業員とその家族によって収穫され、
八王子市のフードバンクを通じて、
子ども食堂などへ寄贈されます。
すべての収穫作業を終えた畑は、
Hondaの耕うん機を使って耕され、
夏野菜の植え付けに向けて
新たな実りを育てる土壌に整えられます。
人の手が入ることによって保たれ、
多様な生き物を育む場となってきた里地里山。
継続的に土壌環境を整備することで、
命を育む里山の再生につながっていきます。

「里地里山保全活動に
参加してどうだった?」

参加者の声

原田さんご家族

命や自然の大切さを学べる、
社会貢献につながる活動

原田慎太郎さん、嵐さん :
自分が子どもの頃にした里山での体験を子ども達にもしてほしくて参加しました。生き物にふれながら身近な野菜がどうやって育つかを知ることで、命や自然を大切にする心も芽生えると思います。子ども達の学びの機会にもなるし、社会貢献につながるいい活動だと感じました。また参加したいです。
そうたくん :
ニンジンの種ってこんなに小さいんだとおどろいた。
そらくん :
植物を育ててくれるから、土が大好き。種まきができて、楽しかった!

体験を通して子どもの
新しい一面を見られた

福田宜康さん、礼香さん :
今日のような体験をできる機会は中々ないのですが、今回こんなに虫をさわれる子なんだと我が子の新しい一面を知れました。私が製品開発の仕事に携わっているので、もし耕運機が使えていたら自分の仕事を子ども達に知ってもらういい機会にもなると思います。
そうへいくん :
たくさん虫採りができたことが一番の思い出!楽しかったけどめちゃくちゃつかれた。自然をより大切にしたいと思えた。
ももかちゃん :
虫が好きになった!

福田さんご家族

自然の中で学校では
学べないことが学べる

阿部幸雄さん :
山が好きで、将来は畑仕事をして自然とふれあえる暮らしがしたいので、自然と関われるこの活動に興味を持ち、初めて参加しました。子どもの頃は自然の中で育ち、田んぼ仕事で怪我なんかもしましたが、そうした経験が危険やリスクを覚えるのに役立ちました。自然の中で体験して覚えて、本物の人間に育っていく。子ども達にとって学校では学べない学びが得られる機会になるのではないでしょうか。

「活動を楽しみながら、
里地里山の大切さや

生物多様性
について学んでもらいたい」

Hondaスタッフの声

社会貢献推進室
横田裕子さん

Hondaは、以前から森林保全などの環境保全活動を行っていますが、従業員に環境の大切さをもっと身近に感じてもらえる機会を作りたいと考え、この里地里山保全活動をスタートしました。
ここはもともと耕作放棄地でしたが、たくさんの従業員とそのご家族にご参加いただき、畑作・稲作・雑木林の保全活動を実施しています。

社会貢献推進室
横田裕子さん

里地里山は、動物と人間の住む場所の境界線だといわれています。動物と人間が共存していくためにはとても大切な場所なんですね。そんな場所での活動に参加することで身近な環境保全活動を体験し、楽しみながら生物多様性の大切さを感じてもらえたら嬉しいです。
これからもこの八王子市上川の里の活動をはじめ、従業員の皆さんが気軽に参加して自然を楽しみ、学べる環境保全活動を続けていきたいと思っています。

里地里山の魅力を次世代へ伝えるため、
Hondaはこれからも
里地里山保全活動を推進していきます

さまざまな生き物の命を育んでくれる里地里山。
それは、土の温もりや日差しによる草むらの熱気、
木々の合間を吹き抜ける風、
聞いたことのない虫や鳥の声など、
普段の暮らしではあまり感じることのできない、
さまざまな命の営みを体感できる場所。
この里地里山を次世代へ引き継いでいくためにも、
Hondaは多様な生き物と人が共存する
里地里山の魅力を伝え、
子ども達が実体験をもって感じられる活動を
継続してまいります。

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