本田技研工業(株)は、二輪車体本来の手軽さと利便性はそのままに、ガソリン燃料に変わるクリーンなエネルギーのひとつとして注目されている電気で走るスクーター「ホンダCUV ES※1」を、3月10日より官公庁や地方自治体などに200台の限定発売を行う。
ホンダはかねてより、環境保全への対応に積極的に取り組んできており、その一環としてエネルギー源の多様化に向けて研究開発してきた乗り物のひとつとして、二輪で培った幅広い設計技術と、電動車両の最新技術を融合させた電気スクーター「CUV ES」を開発した。
この「CUV ES」は、都市部での使用など比較的短距離での移動に適した原付スクーターの特性や、手軽で軽量かつ機動性が良く、省スペース性に優れたミニマムトランスポーターとしての特性を活かした、排気ガスを出さないクリーンで静かな新しい乗り物のひとつとして開発されたものである。
販売にあたっては、バッテリーの回収、効率的なリサイクルの必要性等において、従来のガソリンエンジン車とは違った対応が必要となるため、使用状況を把握しやすいリース方式とする。
- ※1CUV ES:Clean Urban Vehicle Electric Scooterの頭文字をとったもの。
販売計画台数(国内)
200台(限定)
メーカー希望小売価格
850,000円をベースに3年間のリース販売方式とする。
(地域希望小売価格の一例:北海道は8,000円高、その他一部地域を除く。)
(参考価格。消費税を含まず。)
動力部は、エネルギー効率や静粛性に優れた低振動のDC(直流)ブラシレスモーター(定格 出力0.58kW)に、コンピュータによる緻密なモーター制御を組み合わせて採用し、動力伝 達系の無段変速機構(Vベルトオートマチック)とあいまって、効率の良いスムーズな走りを可能にしている。動力源としてのバッテリーはニッケル・カドミウムタイプ(86.4V-20Ah)とし、フロアステップ下部に搭載。低重心化を図りながら素直な走行感を実現している。また、充電装置を内蔵しており、家庭用の100V電源から充電出来る手軽さを持たせている。1回につき最大8時間の充電で61kmの走行(30km/h定地走行)が可能。
その他の主な特長
- ・アイドリング状態のない電気スクーターならではの発進制御システム。
(着座時のみ発進可能。スロットルを開けた状態での発進防止。充電中の発進防止。サイドスタンドが出た状態での発進防止。) - ・バッテリーの消費電力を的確に表示するバッテリー残量計。
- ・フルフェイスヘルメット※2や小物の収納に便利なセンタートランク(メットイン)装備。
- ・大容量バッテリーの収納スペースを感じさせないスタイリッシュな外観。
- ・回路異常などを知らせる自己診断機能。
- ※2センタートランクには、オフロードタイプなど一部の特殊なヘルメットは入らない場合がある。
主要諸元
通称名 | CUV ES |
車名・型式 | ホンダ A-AF 36 |
全長×全幅×全高(m) | 1.785×0.615×1.035 |
軸距(m) | 1.265 |
最低地上高(m) | 0.100 |
車両重量(kg) | 130 |
乗車定員(人) | 1 |
最小回転半径(m) | 1.9 |
原動機の種類 | 直流ブラシレスモーター |
原動機の型式 | AF 36M |
定格出力(kw) | 0.58 |
最高出力(kw/rpm) | 3.3/3,600 |
最大トルク(kgm/rpm) | 0.9/3,200 |
変速機形式 | 無段変速式(Vベルトコンバータ) |
タイヤ | 〔前輪〕80/100-10 46J 〔後輪〕90/90-10 50J |
制動装置形式 | 機械式リーディング・トレーリング(前後とも) |
懸架方式 | 〔前輪〕テレスコピック式 〔後輪〕ユニット・スイング式 |
フレーム形式 | アンダボーン |
バッテリー種類/型式 | ニッケル・カドミウム/12KR-20000M |
バッテリー容量 | 86.4V-20Ah |
バッテリー充電電源 | AC100V(単相) |
充電時間 | 最長8時間(冷却時間最長2時間を含む) |
1充電走行距離 | 61km(30km/h定地走行テスト値) |