その他の重要な取り組み

クリーンな大気の保全

Hondaは、大気汚染による公害問題が深刻化した1960年代から「クリーンな大気の保全」への対応は重要と認識し、製品の排出ガスを削減する技術の開発などを通じて、大気の保全に対する取り組み行ってきました。

二輪車は、市販車すべてのエンジンの4ストローク化を完了するとともに、全世界で販売する機種の88% 以上に「PGM-FI※1」を適用し、燃焼効率を向上させ、排出ガスを削減してきました。

四輪車では、「アコード プラグインハイブリッド」が世界で最も厳しいとされるUSカリフォルニアLEV※2 3 SULEV※3 20 規制を世界に先駆けて達成し、その後も先進排ガス規制である、欧州Euro6や中国の第六段階(国6)やPM※4(微粒子)についても先行して削減技術を投入してきました。

パワープロダクツにおいては、エンジンの改善技術により世界で最も厳しい US EPA※5 Phase3 規制を触媒なしでクリアし、対応しています。

塗装工程で使用する塗料やシンナーに含まれる溶剤成分が光化学オキシダントの原因となるVOC※6の発生につながるため、塗装効率の向上やVOC 除去装置の導入を行い、VOC 排出の削減を進めています。

四輪車の生産においては、埼玉製作所完成車工場からショートプロセス高機能塗装技術「Honda Smart Ecological Paint」※7の導入をグローバルで進めています。

Honda は、今後も排出ガスを削減するとともに、電動製品の販売比率をマイルストーンに設定し、クリーンな大気の保全に取り組みます。

  1. PGM-FI:Programmed Fuel Injection(電子制御燃料噴射装置)の略。
  2. LEV:Low Emission Vehicle(低排出ガス車)の略。
  3. SULEV:Super Ultra Low Emission Vehicle(極超低排出ガス車)の略。
  4. PM:Particulate Matter(粒子状物質)の略。
  5. US EPA:United States Environmental Protection Agency(米国環境保護庁)の略。
  6. VOC:Volatile Organic Compounds(揮発性有機化合物)の略。
  7. Honda Smart Ecological Paint:4コート3ベークの塗装方法から中塗り工程を廃止した、水性3コート2ベーク塗装。

カーボンフリー製品※8

EM1 e:
CR-V e:FCEV
EU3200i

化学物質の管理と削減

Hondaは、製品から環境に影響を及ぼす可能性のある化学物質を削減していくため、製品の設計・開発段階から自動車構成部品に含まれる化学物質を管理し、その削減に努めています。

2002年、国連が2020年までに化学物質による人や環境への影響を最小化する目標を定めたことに基づき、各国で自動車構成部品に含まれる化学物質を適切に管理し、有害物質を削減するための法規が整備されてきました。

この動きを受けて、ドイツ自動車製造業会を中心に自動車を構成する部品の材料および含有化学物質情報を、サプライチェーンを通じて収集するシステム(IMDS※1)が開発されました。HondaもこのIMDSをベースに情報収集を行い、独自に開発したHondaの化学物質グローバル管理システム(MoCS※2)で集計、管理を行っています。

HondaはこのMoCSによる化学物質の管理を進めることで、REACH規則(Regulation concerning the Registration, Evaluation, Authorisationand Restriction of Chemicals)など、各国での環境負荷物質の使用規制に対応し、欧州ELV 指令(Directive on End-of Life Vehicles)に基づいて環境に悪影響を及ぼすとされる重金属4物質(鉛、水銀、六価クロム、カドミウム)の削減を進めています。

  • IMDS:International Material Data System(国際材料データシステム)の略。
  • MoCS:Management System of Chemical Substance(化学物質管理システム)の略。

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