水
自然資本である水資源については、気候変動の影響による洪水や干ばつ、世界人口の増加による水需要の高まりが予測されるなど、問題が深刻化しています。
Honda は、取水地域のコミュニティとその下流域の水資源に影響を及ぼす可能性を認識し、水資源の保全に取り組んでいます。
周囲の水資源と調和の図れる地域を選定し、各国の環境アセスメント法規に則って企業活動を行っています。
また、2050年工業用取水ゼロをめざし、取水量の最小化に向けて、各事業所でリサイクル水の活用や節水など、地域事情を踏まえた取り組みを推進しています。
また、事業に影響を及ぼす供給リスクや地域社会に影響を及ぼす枯渇リスクを視野に入れ、すべての企業活動における取水総量の削減をめざしていきます。
2050年を見据えた新目標値の設定
より本質的な課題解決に向けて、2050年のありたき姿と連動した中間目標として、2031年3月期までに工業用取水量を12%削減する新たな KGI と目標値を設定しました。
工業用取水量:企業活動において、製品の開発や製造に伴い直接使用される水の年間取水量。なお、従業員の飲用や手洗い場などで使用される生活用水については、AWS(Alliance for Water Stewardship)規格の「WASH」の提供のため、本指標の対象外としています。WASH = Water, Sanitation and Hygiene(安全な水、衛生設備、衛生習慣)の略称で、衛生的な水/施設の提供を規定
水は、地域や季節などによって偏在する資源であり、水の使用量の多い製造拠点においては、「AQUEDUCT」や「Water Risk Filter」などの評価指標を用いて拠点地域における「水資源」「地下水」「渇水」「水質」「規制/風評」などのリスクの検証・特定を行っており、リスクに応じた取り組みを推進しています。
水リスクの高い地域に所在するホンダ・デ・メキシコ・エス・エー・デ・シー・ブイ セラヤ工場(メキシコ)、ホンダカーズインディア・リミテッド タプカラ工場(インド)、広汽本田汽車有限公司第2工場(中国)などでは、重点的に水のリサイクルシステムの導入に取り組んでいます。
■リサイクル水 使用量(グローバル製造拠点)
3,160千m3/年間(全使用量の約14%)
排水についても、各国の法規に従った排水処理や処理水の放流を行っているため、排水によって影響を受ける水源はなく、排水量の管理を行っています。
これからもHondaは、地域ごとの水資源の特性や課題を踏まえ、各製造拠点で水リスク評価を実施するとともに、生物多様性への配慮を重視し、拠点の上下流域における水環境や地域コミュニティの保全 にも貢献していきます。