ライフサイクルCO₂排出削減

企業GHG排出量の集計高度化

製品使用のCO₂排出(スコープ3 カテゴリー11)は、主に電動製品の普及・拡大により削減が進む一方で、電動製品に必要な素材や部品を製造する際に排出されるCO₂(スコープ3 カテゴリー1)は、現状の成り行きのままでは、増加する見込みとなっています。

まずは、CO₂排出量が大きい箇所(ホットスポット)の特定のため、Honda製品を構成する約2万点の部品を約50種類の構成素材に分解し、部品一つひとつのCO₂排出量を計算可能な集計方法を開発し、運用を開始しました。

現在、素材や部品の製造時におけるCO₂排出量は、産業平均値などを用いて、簡易的な計算で算出していますが、今後は、製造プロセスで実際に消費するエネルギー量を計測することで、CO₂排出削減の取り組みをより正確に評価することが可能になります。

また、素材/部品の製造時におけるCO₂排出量をより正確に算定できるのは、実際に素材・部品を製造されているお取引先各社となります。将来の理想的な取り組みのかたちとして、お取引先各社が算定したCO₂排出量をサプライチェーンに沿って共有することで、Honda製品のCO₂排出量をより正確に評価し、その結果を踏まえてさらなる削減に向けた取り組みなどをお取引先各社と協働して行うことを目指しています。

このように、CO₂排出量を正しく評価することで、より有効な取り組みが可能になるという考えに基づき、企業活動CO₂排出量(スコープ1・2)のみならず、Hondaのバリューチェーン全体のCO₂排出量(スコープ3)データを一括で集計・分析可能なシステムの導入を進めています。

得られた分析結果をさらなるCO₂排出削減に向けた戦略や施策などに活かし、カーボンニュートラルの実現を目指します。

スコープ3 カテゴリー1集計:概念図


製品カーボンフットプリント算定の取り組み

2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、CO₂排出の削減に有効な製品の電動化と、より低炭素で環境負荷の少ないものづくりを目指しています。

そのために、ライフサイクル全体における製品のカーボンフットプリントの定量化を行い、素材/部品製造など従来の製品よりもCO₂を多く排出してしまう領域を検証し、CO₂排出削減が可能となる技術の構築や製品仕様の改善にも取り組んでいます。

今後は、カーボンフットプリント算定の取り組みで得られた結果を製品設計の初期段階などの開発プロセスにも取り込み、継続して活動を推進していきます。

N-VAN(ICE)とN-VAN e:(EV)のカーボンフットプリント比較結果


2031年3月期目標達成に向けた取り組み

2050年カーボンニュートラル達成に向けた取り組みを加速すべく、2024年3月にサプライヤーに対して2031年3月期の中間目標(2020年3月期比▲46%)を発信しました。Hondaは、サプライヤー各社とコミュニケーションを取りながら、協働でカーボンニュートラル実現に向けて取り組んでいます。


レポート