基本的な考え方

Hondaは、ネイチャーポジティブに向けた自然共生の取り組みを推進するにあたり、「生物多様性の保全」をマテリアリティとして設定しています。

Hondaは、天然資源や鉱物資源の恩恵を受けて事業を行っています。
原材料の調達だけでなく、研究開発、製造、使用、使用後の廃棄に至るバリューチェーン全体において、多くの自然資本に依存をし、
影響を与えていることを認識しており、企業活動との調和を図っていくことを基本的な考え方として定めて、取り組みを推進しています。

2011年には「Honda 生物多様性ガイドライン」を制定し、同ガイドラインに沿って、
大気や水、生物多様性を含む自然への影響の回避、最小化に加え、復元・再生にも取り組んでいます。

優先拠点評価

生産拠点における生物多様性の取り組みを具体化するに際し、生物多様性評価ツールであるIBAT^※1にある指標を使って、生産拠点の生物多様性リスクを統合的に評価しています。

具体的には、拠点周りの「保護区の数」や「KBA^※2の数」、「陸域における絶滅危惧種の種数」や「流域における絶滅危惧種の種数」に生息する絶滅危惧種の数、「保全活動により絶滅リスクを減少させる可能性」と「保全活動による環境復元・自然再生の効果」といった6つの評価を行い、相対的にリスクが高い拠点を確認しました。

これに従い優先拠点を定め、生物多様性保全の具体的な取り組みを検討しています。

なお、優先拠点評価は、生物多様性評価の専門機関である、一般社団法人バードライフ・インターナショナル東京の協力のもとに行っています。

また、生物多様性の保全には水リスクも重要だと考えており、水リスクと連動した取り組みを検討します。

1. IBAT：Integrated Biodiversity Assessment Tool（生物多様性評価ツール）の略。
2. KBA：Key Biodiversity Area（生物多様性重要地域）の略。

優先拠点評価 ヒートマップ

生物多様性の保全に向けた優先事項分析

製品評価

製品にはさまざまな材料が使用されており、その材料のなかには生物多様性に影響を及ぼすものが存在する可能性があります。

そこでHondaは、製品に使用される材料が生物多様性に与える影響について一次評価する取り組みを行っています。評価結果をもとに、影響が大きい可能性がある材料については今後より詳細な分析を行い、製品が生物多様性に及ぼす影響の低減に向けた取り組みを検討していきます。