2023.01.30 update

「メタマテリアル」と「Honda DREAMO」の取り組みを進める埼玉製作所(完成車工場)

Hondaは、この地球上で人々が持続的に生活していくため、「環境負荷ゼロ」の循環型社会の実現をめざし、「カーボンニュートラル」「クリーンエネルギー」「リソースサーキュレーション」、この3つを1つのコンセプトにまとめた「Triple Action to ZERO」を中心にして、取り組んでいます。

埼玉製作所 完成車工場では、「地球環境保全」、「企業価値向上」、「グローバル貢献」の3つの課題の実現に向けて、活動を推進しています。

完成車工場

完成車工場

ソーラーパネルと蓄電池の導入を進める熊本製作所

Hondaは、この地球上で人々が持続的に生活していくため、「環境負荷ゼロ」の循環型社会の実現をめざし、「カーボンニュートラル」「クリーンエネルギー」「リソースサーキュレーション」、この3つを1つのコンセプトにまとめた「Triple Action to ZERO」を中心にして、取り組んでいます。

熊本製作所では、2030年までにCO2の排出量46%減(2019年比)を目指して、「再生可能エネルギーの導入」、「工場インフラの電化/効率化」、「生産プロセスの省エネ」という3つの柱で活動を推進しています。

2030年までにCO2排出量の46%を削減

完成車工場では、2030年までに工場から排出されるCO2総量の46%削減を目指しています。
そのために、先端環境技術の積極的な導入、徹底的な製造エネルギーの効率化・クリーンエネルギーの活用・廃棄物の削減などに積極的に取り組んでいます。
先端環境技術としては、「メタマテリアル」・「Honda DREAMO」(以下、DREAMO)を導入し、実証実験等を進めています。

「メタマテリアル」について ~自動車工場での適用、世界初~

「メタマテリアル」技術は、環境貢献の体感と世界中の人たちが環境問題に取り組めるという2つのコンセプトを掲げており、HondaとSPACECOOL社で共同開発をしています。
2022年に、このメタマテリアル技術をシート化し、完成車工場へ試験導入しており、自動車工場への適用は世界初(Honda調べ)となります。

「メタマテリアルシート」は、光学制御設計により、太陽光をシートで宇宙空間に反射/放射させて、太陽光による温度上昇をさせないことと、シート化することにより、特殊設備や技能を必要とせず、廉価且つ簡便な施工で実現しています。
これにより、夏季の空調エネルギー削減に繋がり、国内工場に実装した場合、約300tーCO2/年のCO2削減効果が期待できます。

現在、埼玉製作所(完成車工場、エンジン工場)では、一部試験導入が完了しており、従来の断熱材に対して、実環境下で15度の温度低下の効果を確認しています。
これをCO2削減効果に換算すると、約30%の削減効果になります。また、コスト面においても大きな削減効果を上げることが期待されます。

この技術を国内外の工場へ拡大展開させていくために、様々な地域や使用環境に適合する仕様を目指し、継続的にSPACECOOL社と共同開発を進めていく予定です。

今後の展開としては、2023年には国内Honda工場への導入を計画しており、国外Honda工場についても赤道に近い地域からの導入を検討しています。

「DREAMO」について ~藻に秘められた大きな可能性~

「DREAMO」は、藻にCO2を吸着させ、それを有資源化していくというシステムです。
工場から出てくるCO2を「DREAMO」に固定化させ、有資源化していく実証実験を行っており、現在、屋上には2セルの水槽を設置しています。

「DREAMO」の成分は、3日間という短期間でチェンジが可能であり、必要なものが必要な時に作れるという点が大きな特徴です。
藻を育てる生育条件を変化させることによって、タンパク質やブドウ糖の比率を変化させることが出来るため、エタノールやジェット燃料、プラスチックなどの様々な材料に変換することが可能です。
現在は、工場の排ガスに含まれるCO2から藻がしっかりと生育することが可能か、実証実験を行なっています。

また今後の「DREAMO」の予定としては、2023年には海外拠点でも実証プラントを設置する計画をしています。

グローバルで環境をリーディングする工場を目指す

完成車工場は、四輪生産領域の環境をリーディングすることを目指して、積極的に環境技術に取り組みを行なっている拠点です。
本質的なカーボンニュートラルの実現、Honda環境ブランドの構築、グローバル展開に向けた技術の熟成・信頼性構築という3つを掲げて、グローバルで環境をリーディングできる工場を目指しています。
今後も継続的に、様々な環境技術を通じて、積極的な環境への取り組みを加速させていきます。

  • 寄居から世界へ

    寄居から世界へ

    環境をリーディング
    自ら技術を熟成し、世界中のHondaの工場へ発信

  • メタマテリアルシートの効果イメージ

    メタマテリアルシートの効果イメージ

    地球が太陽から受ける光を積極的に反射・大気圏外へと放射する構造

  • Honda DREAMOシステム

    Honda DREAMOシステム

    完成車工場排ガス培養実証実験

<協業企業>

・SPACECOOL株式会社
URL:https://www.spacecool.jp/

<関連ページ>

・埼玉製作所ホームページ
URL:https://global.honda/jp/saitama/yorii/

・先進テクノロジーサイト 「藻」で挑む、カーボンニュートラル。“Honda DREAMO”
URL:https://global.honda/jp/future/EngineerTalk_hondadreamo/

・Hondaハート CO2をエネルギーに変える!?「Hondaの藻が人類を救う!? Honda ドリーモシステム」
URL:https://www.honda.co.jp/HondaHeart/special-contents/carbon-neutral/03/

(取材日 2022年11月22日)