2023.05.30 update

国内最大の自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」に出展。
カーボンニュートラルと交通事故死者ゼロを目指しHondaの最新技術をご紹介。

2023年5月24日から26日まで「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」がパシフィコ横浜で開催されました(主催:公益社団法人自動車技術会)。Hondaは、2050年の「カーボンニュートラル」と「交通事故死者ゼロ」という目標の達成に向けた最新技術を、現地でのリアル展示会に加え、オンライン展示会でも紹介しました。2023年7月5日からは名古屋で出展を予定しています。

2023年5月24日から26日まで「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」がパシフィコ横浜で開催されました(主催:公益社団法人自動車技術会)。Hondaは、2050年の「カーボンニュートラル」と「交通事故死者ゼロ」という目標の達成に向けた最新技術を、現地でのリアル展示会に加え、オンライン展示会でも紹介しました。2023年7月5日からは名古屋で出展を予定しています。

展示コンセプト

Hondaは、「自由な移動の喜び」を叶えるトータルモビリティカンパニーとして、技術・ノウハウを連携することで、未来の可能性を切り拓く次世代モビリティや人々の暮らしに役立つ製品を生み出し続けています。

環境視点では2050年に、企業活動や全製品で、「カーボンニュートラル」を実現するという大きな目標を掲げています。その目標を達成するためのひとつの取り組みとして、今回、次世代FC(燃料電池)システムやモバイルパワーパックの取り組み事例のほか、「自由な移動の提供」と「再生可能エネルギーの利用拡大」に貢献するオフグリッドでの電気サイクル技術をご紹介しました。

次世代燃料電池(FC)システム

水素社会実現に向けた燃料電池(FC)の本格普及を目指し、安価で高耐久性、耐低温性向上を実現した次世代燃料電池(FC)システムと、それを用いた多用途展開を映像も交えて紹介しました。 具体的な事例としては、いすゞ自動車と共同研究中の商用FC大型トラックや、 クリーンで高品質な電力を供給できる非常用FC定置電源など、さまざまな分野での活用を進めています。

Hondaは今後、コア技術である燃料電池(FC)システムの搭載・適用先を、自社のFCEVに、商用車、定置電源、建設機械を加えた4つを主な適用領域と定め、さまざまなアプリケーションに拡大していくことで、水素を「つかう」領域で、社会のカーボンニュートラル化を促進し、水素需要の喚起に貢献していきます。

Honda Mobile Power Pack e: 活用事例

Honda Mobile Power Pack e:は、電動バイクや小型モビリティをはじめ、さまざまな電動製品に電力を供給する着脱式可搬バッテリーです。空になったバッテリーを交換すれば、充電時間を待つことなく、連続して走行・稼働することが可能です。

展示では、モビリティ電動化の課題である航続距離や充電時間の短縮、車両およびインフラコストを解決するHondaの第2世代着脱式可搬バッテリーと、小型電動推進機や電動二輪スクーターなど、その活用事例を紹介しました。

Honda Mobile Power Pack e:の専用充電器であるHonda Power Pack Charger e: Prototypeは、置くだけで充電が開始され、満充電で自動的に充電を終了するシンプルなつくりに加え、多段の棚に並べて使用することを想定した横挿し設計としています。

また、海のモビリティにおけるカーボンニュートラル実現への取り組みの一つである、Honda Mobile Power Pack e:を動力源に採用した、小型船舶向け電動推進機のコンセプトモデルや、Honda Mobile Power Pack e:1個を動力用バッテリーに採用した、原付一種の電動スクーターEM1 e:(イーエムワン イー)なども紹介されました。

オフグリッドでの電気サイクル

オフグリッドとは、電力会社の送電網(グリッド)に頼らず電気を使用することを指します。電動モビリティやエネルギーサービスを使ってレジャーなどの平常時のみならず災害時でも電力確保が可能で、環境に負荷をかけない画期的なシステムとして世界中から注目されています。

展示では、電動モビリティとエネルギーサービスを繋ぎ「自由な移動の提供」と「再生可能エネルギーの利用拡大」に貢献する技術を紹介しました。

Honda Power Exporter e: 6000 Prototypeは、大きな電力を要する電気機器へ適応し、幅広い電力供給ニーズに対応することが可能な可搬型外部給電器です。電動車両(BEV・FCEV・PHEV)から電気を取り出し、交流 100V/200V、定格6kVAの出力をすることができます。

Honda Power Pod e: Prototypeは、Honda Mobile Power Pack e:の充電・給電器のプロトタイプで、電力を取り出し、レジャーなどの平常時のみならず、災害時でも電源として活用することができます。また、2台を並列運転することで、より長時間の電力を得ることが可能となります。

  • Hondaの燃料電池開発~多用途展開への取り組み~

    Hondaの燃料電池開発~多用途展開への取り組み~

    水素は、高いエネルギー密度で貯め、運ぶことができ、更には短時間での充填が可能という特徴をもっています。
    そのため、バッテリーでは実現が困難とされる、稼働率の高い大型モビリティや大型インフラの電源等や、短時間でエネルギー充填が必要なモビリティに、より適しており、今後はこうした用途を中心に積極活用していく考えです。
    また、様々なアプリケーションへの適用に向けて、出力のレンジに応じて、燃料電池システムを増やすことで、大型の商用車や、メガワットクラスの定置電源などにも対応していきます。

  • FC大型トラック

    FC大型トラック

    Hondaは20年以上にわたりFC技術の実用化に取り組んできました。
    2016年には世界で初めてFCシステムをセダン型燃料電池自動車のボンネット内に収納。現在は次世代のFCシステムの開発を進めています。
    HondaはFC技術を拡大し、水素消費量を増やし、グリーン水素の普及に貢献し、水素社会の拡大によるカーボンニュートラルの実現を目指しています。

    いすゞ自動車との共同研究:試験走行を開始 - YouTube

  • FC定置電源

    FC定置電源

    Hondaは20年以上にわたりFC技術の実用化に取り組んできました。
    2016年には世界で初めてFCシステムをセダン型燃料電池自動車のボンネット内に収納。現在は次世代のFCシステムの開発を進めています。
    HondaはFC技術を拡大し、水素消費量を増やし、グリーン水素の普及に貢献し、水素社会の拡大によるカーボンニュートラルの実現を目指しています。

  • Honda Mobile Power Pack e:

    Honda Mobile Power Pack e:

    カーボンニュートラル実現に向け広く普及し始めている電動モビリティ。
    その課題となる「長い充電時間」「航続距離」「バッテリーのコスト」を解決するためにHondaは簡単に取り外して交換できるバッテリーパック「Honda Mobile Power Pack e:」を誕生させました。着脱できるバッテリーの特性を活かせばモビリティや、定置用バッテリー、ポータブル電源など多彩な製品の電動化普及に貢献します。

  • 再生可能エネルギーを多彩な用途に展開する "Honda Mobile Power Pack World"

    再生可能エネルギーを多彩な用途に展開する "Honda Mobile Power Pack World"

    カーボンニュートラル実現に向け、広く普及し始めている電動モビリティ。
    その課題となる「長い充電時間・航続距離・バッテリーのコスト」を解決するためにHondaは簡単に取り外して交換できるバッテリーパック「Honda Mobile Power Pack e:」を誕生させました。
    交換・持ち運びできるモバイルパワーパックの特性を活かせば、Honda製品以外の電動モビリティや、モビリティに限らず家庭の定置用バッテリーや屋外のポータブル電源など、さまざまな用途に拡大することが可能です。

    Honda製品のみならず、Honda以外の他社製品でも共用することで資源を節約し、使い終わったバッテリーを別の用途などに二次利用させることで二次利用先のバッテリー購入コストを下げ(実質ゼロ化)普及を後押しするなど、バッテリー単体を独立して運用できるメリットを活かして電動化の普及に貢献することを目指しています。

  • 小型電動推進機コンセプトモデル

    小型電動推進機コンセプトモデル

    海のモビリティにおけるカーボンニュートラル実現への取り組みの一つである、Honda Mobile Power Pack e:を動力源に採用した小型船舶向け電動推進機のコンセプトモデル。
    電動による低騒音・低振動・ゼロエミッションに加え、発進直後から高いトルクでの力強い推進力を発揮します。

  • Honda二輪国内初のパーソナルEV EM1 e:

    Honda二輪国内初のパーソナルEV EM1 e:

    持ち運びできる電源 Honda Mobile Power Pack e:を1基搭載。別売りの充電器により、ご自宅のコンセントで充電可能。ガソリン給油を不要としました。
    自動車免許をお持ちの方ならどなたでも乗れる原付一種クラスのEVスクーターとして毎日の通勤、通学、お買い物などの生活圏をカバーできる航続距離を確保しました。
    穏やかでスムーズな出力と落ち着いたハンドリングにより二輪運転経験の有無に関わらず安心してお使いいただけます。EM1 e:は、街に溶け込むシンプルでクリーンなスタイルで、幅広いお客様の毎日の生活をより便利にしていきます。
    本製品は今回の展示会で初披露となりました。

  • Honda Power Exporter e: 6000 Prototype

    Honda Power Exporter e: 6000 Prototype

    クルマとつながることにより、「走る電源という」新しい価値を生み出すことができます。
    電気車両にはたくさんの電気を貯める能力や発電するがあります。
    Honda Power Exporter e: 6000 Prototypeは電動車両から電気を取り出し、大型電気製品からパソコンなどの精密機器まで、様々な電気機器に電力を供給します。

  • Honda Power Pod e: Prototype

    Honda Power Pod e: Prototype

    昨今、災害時などの有事だけでなく平時にも役立つバッテリー式AC電源のニーズが高まっています。
    「長い充電」「短い運転」「高コスト」というバッテリーの課題を解決するため、Hondaの着脱可能なバッテリーパック「Honda Mobile Power Pack e:」と、発電機で実績のある高品質な1500Wインバータを組み合わせ、多彩なシーンで役立つポータブルAC電源を開発しました。

  • (株)本田技術研究所 先進パワーユニット・エネルギー研究所
    PUシステム開発室 1BL
    尾髙 拓弥

    Honda Power Exporter e: 6000 Prototypeはクルマとつながることにより「走る電源」という新しい価値を生み出すことができます。
    特徴は、100V、200Vの交流出力が可能で、6kVAの大電力、且つ高品質な波形です。
    平常時/非常時問わずフェーズフリーで使えるよう、車両と繋がる部分を取り扱いしやすいように設計することで、使いやすさを考慮しました。
    今回の経験を生かして次回のものづくりでは、より一層、人の使い方に即した設計を心がけたいと思います。
    また、Honda Mobile Power Pack e:/Honda Power Pod e: Prototypeなど他製品と連携できるのが、Honda製品の強みなので様々な使い方を提案することで、使用の幅を拡げ、新しい価値や世界を提供したいです。

  • 本田技研工業(株) コーポレート戦略本部 経営企画統括部
    エグゼクティブチーフエンジニア
    松薗 義明

    私たちHondaは、1992年に環境宣言を出し、社内外に向けて環境意識を持ち取り組んできました。
    モビリティでの移動や技術の体験によって得られる“楽しさ”や”喜び”を永続的に提供することが、わたしたちHondaの目的であり、そのためにも、環境負荷ゼロの循環型社会の実現を目指す必要があると考えています。
    Hondaのモビリティや技術が今回の展示会を通して、世の中に広く知って頂けることは、非常に意義のある事と考えています。
    今後もお客様に“楽しさ”や“喜び”を提供するために、環境負荷ゼロの循環型社会を目指したモビリティや技術開発に取り組んでいきます。

<人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA>

・主催者:
 公益社団法人自動車技術会
・リアル会場:
 パシフィコ横浜
・開催日時:
 2023年5月24日(水)~5月26日(金)
・オンライン会場:
 公式サイト
 https://aee.expo-info.jsae.or.jp/ja/yokohama/
・オンライン展示期間:
 2023年5月17日(水)~6月7日(水)

<人とくるまのテクノロジー展2023 NAGOYA>

・主催者:
 公益社団法人自動車技術会
・リアル会場:
 Aichi Sky Expo
・開催日時:
 2023年7月5日(水)~7月7日(金)
・オンライン会場:
 公式サイト
 https://aee.expo-info.jsae.or.jp/ja/nagoya/
・オンライン展示期間:
 2023年6月28日(水)~7月19日(水)

(取材日 2023年5月24日)