CHINA新大洲本田摩托有限公司
世界各国に完成車や部品を供給
中国におけるスーパーカブ・シリーズの生産は、新大洲本田摩托有限公司と、五羊-本田摩托有限公司が担っている。ここでは、新大洲本田摩托有限公司の取り組みを紹介。
この会社は、中国の民間資本である新大洲株権投資有限公司とホンダの合弁会社で、二輪車の製造と販売を行っている。設立は2001年にさかのぼる。2002年からスーパーカブ・シリーズの生産をしている。
新大洲本田は上海市に本社をおき、江蘇省太倉市と天津市に生産工場をもっている。太倉工場は従業員約2,000人が働き年間最大生産能力50万台(2018年現在)。2018年竣工の最新工場だ。
天津工場は従業員約900人で年間の最大生産能力は35万台。2005年竣工の工場である。
このふたつの工場では、スーパーカブ・シリーズ、スクーター、電動二輪、スポーツ・タイプなどを生産している。
この新大洲本田が、世界中のスーパーカブ・シリーズのユーザーと結びついていることは案外知られていない。新大洲本田が2018年の1年間で生産したスーパーカブ・シリーズは約15万台(完成車とノックダウン用部品の合計)だが、そのうち70%が完成車や、現地で完成車として組み立てる部品として海外へ輸出されているのだ。
輸出先は、近隣の日本、韓国。オセアニアのオーストラリア、ニュージーランド。アフリカのナイジェリア、ケニア、南アフリカ、マダカスカル。中米のメキシコ、南米のペルー、アルゼンチンなど、全世界25ヵ国におよんでいる。
たとえば日本の場合は、現行のスーパーカブ・シリーズ(クロスカブを含む)の部品の多くは新大洲本田から輸入し熊本製作所で生産している。2017年まで販売していた先代のスーパーカブ・シリーズにいたっては新大洲本田から完成車を輸入して日本で販売していた。
したがって新大洲本田は「世界のカブ工場」と呼んでさしつかえない存在になっている。スーパーカブ・シリーズは、これまで160に及ぶ国と地域でお客様に愛用されている小型オートバイだが、その完成車や部品の供給もまたボーダーレス的ネットワークによって実現している。そのかなめとして中国の新大洲本田が生産活動をおこなっている。