CRF Stories

2007CRF150R

扱いやすい車体と高性能エンジンでモトクロスファン拡大を目指したモデル

2006年、Hondaは水冷・4ストロークエンジンを搭載した新型モトクロッサーCRF150RとCRF150RⅡを2007年モデルとして発売しました。
CRF150Rは、フロントに17インチ、リアに14インチのホイールを装着。
一方CRF150RⅡは、フロントに19インチ、リアに16インチの大径ホイールを採用しました。

2007年型 CRF150R

2007年型 CRF150RⅡ

CRF150Rシリーズは、モトクロス入門用として、また上級者までのさまざまなライダーの好みや体格に応じて選択できる2タイプを設定しました。

開発の背景には、2007年からFIM(国際モーターサイクリズム連盟の略称)が主催するレースにおいて、2ストローク85㏄クラスへの4ストローク150㏄マシンの参戦が認められたレギュレーション改訂がありました。

Hondaの小排気量モトクロッサーは、2ストロークエンジンを搭載するCR85RとCR85RⅡをラインアップしていましたが、この改訂を機に4ストロークエンジンへの移行を進めました。

エンジン

新開発の水冷・4ストローク・OHC単気筒149.7cm³エンジンは、CRF450RCRF250Rと同様に、1本のカムシャフトですべてのバルブを駆動するユニカムバルブトレイン機構を採用しました。高出力化と軽量・コンパクト化を両立したこのエンジンは、最高出力18.0kW[24.5PS]/12,500rpmを発揮し、CR85Rの最高出力19.2kW[26.1PS]/12,000rpmに迫る性能を実現しました。

軽量でフリクションロスの低減に効果的なミニスカートタイプのピストンには、鍛造2本リングを採用。また、コンロッドには二重浸炭処理を施すとともに、大端部にニードルローラーペアリングを採用することなどで、高回転域での優れた出力性能と高い耐久性を実現しました。
冷却効率を高めるために、ラジエーターを左右にバランスよく配置しました。このデュアルタイプのラジエーターは、上位クラスのCRF250Rと同様のレイアウトを採用しています。

エンジン単体

ユニカムバルブトレイン

ミニスカートタイプのピストン、コンロッド、クランクシャフト

デュアルタイプのラジエーター

車体

フレームには、軽量で信頼性の高い高張力鋼材を使用したセミダブルクレードルを採用しました。
スリムな設計とすることで、モトクロス走行時に求められる高い操縦性を実現しました。
フロントサスペンションには倒立式テレスコピックフォークを、リアサスペンションにはHonda独創のプロリンクを採用しました。
さらに、スイングアームにはテーパード形状を採用し、軽量化と高剛性を両立しています。
徹底した軽量化により、CRF150Rの車両重量(乾燥)は75kgを実現しました。

CRF150RⅡ (フューエルタンクや外装品を取り外した状態)

さまざまなライディングに適応するスリムな車体

車体色

CRF150Rシリーズは、CRF450RとCRF250R同様にエクストリームレッドを採用。
モトクロスシーンで映える鮮烈なカラーとしています。

左から CRF150RⅡ、CRF150R

MFJ 全日本モトクロス選手権での活躍

MFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会)は、FIMのレギュレーション改訂を受けて、
同協会が公認・承認するレースにおいて、CRF150Rシリーズの2ストローク85ccクラスへの参戦を認めました。
2007年、益春菜(ます はるな)選手は、MFJ 全日本モトクロス選手権レディースクラスへの参戦にあたり、それまで使用していたHonda CR85RⅡからCRF150RⅡに乗り換え、シーズンをスタートしました。
新たな4ストロークマシンへの適応には、ライディングスタイルやマシンコントロールの見直しが求められましたが、シーズン中に3回の優勝を果たし、CRF150RⅡのデビューシーズンでランキング2位を獲得しました。

2007年、益春菜選手(TEAM MOTOROMAN)とCRF150RⅡの走り

2008年シーズン、益選手とCRF150RⅡは全10戦中8勝を挙げ、見事レディスクラスのチャンピオンを獲得しました。
これは、益選手とCRF150RⅡにとって初のタイトルとなりました。

2008年、益春菜選手(SEKI Racing MotoRoman&KBF-RS)とCRF150RⅡ

益選手とCRF150RⅡは、2008年から2011年までレディスクラスで4連覇を達成するなど、優れた競争力を示しました。

その後もCRF150Rシリーズは、MFJ 全日本モトクロス選手権レディスクラスにおいて数多くの実績を残し、長年にわたりチャンピオン争いの中心的存在となっています。
TEAM HAMMER所属の竹内優菜(たけうち ゆうな)選手は、2014年、2017年にシリーズチャンピオンを獲得。
さらに、T.E.SPORT所属の川井麻央(かわい まなか)選手は、2020年から2025年までの間に5度のシリーズタイトルを獲得するなど、圧倒的な強さを発揮しています。

CRF150Rシリーズは、2007年モデルの登場以来、改良と熟成を重ねながらモトクロス入門者から本格的なレースに挑むライダーまで幅広い支持を集めているモトクロッサーです。

2007年型 CRF150RⅡ