Hondaは、レンタル事業用として、実用性をより向上したASIMOを発表した。
このレンタル事業用モデルは、昨年11月に発表したASIMOを更に機能進化させ、一般的な生活空間で使用されることを前提に、歩行自在性の更なる向上、及び、システムの簡素化を実現した。
身近にある普通の階段や斜面を含む環境を、自在に移動でき、ユーザーのニーズに合せ、専用動作や案内説明のコンテンツを付与することが可能となったことで、実用性はさらに向上し、例えば、受付やご案内など、お客様のご要望に対応した展開が可能となった。
新しいASIMOの特長は、
1.自在歩行技術の向上
3次元自在歩行の実現
ASIMOの最大特徴である、次の動きを予測してリアルタイムに自在な歩行を制御する「インテリジェント・ウォーク」技術を、2次元の平地歩行のみでなく、階段や斜面などの3次元での移動に適応拡大した。
この技術の実現により、不規則形状や、長く連続した階段の昇降、また、一歩ごとの姿勢が変化する斜面上での旋回も可能となり、自在性の高いものとなった。
効率的で滑らかな経路移動の実現
出発点と終了点、および複数の中継点を大まかに設定しておくだけで、その経路からずれない様、一歩毎の着地位置と向きを修正し、自律的に軌道を生成しながら、効率良く移動することが出来るようになった。
さらに、床面のマークを認識するマーク認識センサを設け、長距離移動によって生じる位置誤差を補正することが可能となり、これにより、巡回移動などの自律移動タスクが出来る様になった。
2.ヒューマンインターフェースの向上
周辺システムの簡素化
ASIMOの操作と動作のモニターを行っていたワークステーションを、小型のノート型パソコンに置き換えると共に、従来外部で行っていた音声処理部をASIMO本体に内蔵することで、システム全体として、簡素化した。
容易な操作系
従来は、起動時における、各部の位置調整やセンサ信号などの確認作業が必要であったが、自動調整システムの採用により、簡単にASIMOを起動させ操作することが可能となった。これにより、起動時間は、従来のおよそ40分間から、10分の1の4分間程度に短縮された。
また、パソコンからの動作指示のみではなく、内蔵した音声処理専用CPUにより、音声を使用して、腕・手の動作や移動の指示を併用することができ、より簡単に操作できるようになった。
さらに、音源の方向検知が可能となり、音声指示をしている人の方向を向いて、対応することも可能となった。
携帯コントローラの操作においては、見通しの利く数十メートルの範囲内であれば、直接ロボットを指示し操作する事が可能となった。
以上