Hondaとゼネラル・エレクトリック社（GE）による折半出資子会社であるGE Honda エアロ エンジンズ（GE Honda Aero Engines, LLC 以下、GE Honda）は、米フロリダ州で開催されているビジネス航空ショーのナショナル ビジネス アビエーション（NBAA 2022）にて、現地時間10月17日に以下の発表を行いましたので、その内容をご案内いたします。

＜ご参考＞

　GE Honda エアロ エンジンズは、持続可能な航空燃料（以下、SAF^※1）を100%使用したHF120ターボファンエンジンの試験に成功しました。SAFは航空領域でのCO₂排出量を削減し、カーボンニュートラルを達成する手段の1つとして注目されています。SAFの利用は米国材料試験協会（ASTM^※2）による認可制となっており、既存のジェット燃料へSAFを混合できる含有率の上限が定められています。現在の上限は50％となっていますが、今回の試験により、今後の航空燃料の進化・普及を見据え、100%のSAFを使用できる可能性を確認することができました。

　試験では、100% SAFをHF120で使用した場合のエンジン性能への影響を既存のジェット燃料と比較し評価しました。SAFには、現在最も普及しているHEFA-SPK^※3を使用し、地上でのエンジン試験をゼネラル・エレクトリック社（以下、GE）の設備（米国オハイオ州ピーブルズ）にて数日間に渡り実施しました。その結果、通常のジェット燃料を使用した場合と同等の性能が確認されました。

　GEとHondaは、SAFの安全性を評価し規格化の支援を行う国際団体（FAA／OEM Review Panel）に加入しており、SAFの安全性と普及に向けて活動しています。今後も両社で協力し、持続可能な社会に向けたCO₂排出量の削減など技術を進化させ、業界をリードしていきます。

Sustainable Aviation Fuel

American Society for Testing and Materials

Hydroprocessed Esters and Fatty Acids Synthetic Paraffinic Kerosene。動植物由来の油を水素化処理して合成される航空用燃料。既存の石油精製設備で製造でき、現在、最も普及しているSAFの一種

「HF120での試験の結果、将来に向けて100% SAFを使用できる可能性を示すことができ、うれしく思います。HF120の環境性能を向上させ、CO₂排出量のさらなる削減に繋げていくことにより、わたしたちはお客様の環境目標達成に貢献していきます」

「カーボンニュートラルに向けたGE Hondaとしての取組みをお伝えすることができ、大変うれしく思います。空の領域でもCO₂排出量の削減は世界的な課題となっており、環境負荷の軽減はわたしたちの責務です。HF120は既にクラス最高の低燃費・環境性能を達成していますが、100% SAFで将来的に環境負荷のさらなる軽減に貢献していきます」

GEとHondaの共同出資で2004年に設立された航空エンジン合弁会社

2013年に米国連邦航空局より型式認定を取得し、クラストップの燃費・環境性・耐久性を達成