二輪車の軽量化のために燃料タンクのアルミニウム化を図る場合、プレス成形では各部の分割数が多くなり、充分に軽量化できない、製造工程が長くなるなどの問題点がある。一方、一部のアルミニウム合金では高温で超塑性を示すことが知られており、この特性を応用した分割成形部品の一体成形化が求められている。超塑性により成形能は著しく向上するが、同時に微細な空洞(キャビテーション)の生成による材料特性の低下、長い成形時間等の課題があり、実用化には至っていなかった。筆者らは、キャビテーションの生成と材料特性の相関を明確にし、燃料タンクとしての成形限界を明らかにすることにより、ABF(Aluminum Hot Blow Forming)法を確立した。この製法による軽量かつ低コストの燃料タンクは市販ロードレーサに適用され1994年9月より量産化されている。
Honda R&D Technical Review Vol.8 収録 (160 - 168)