燃焼室内でスワールやタンブルを利用して空気と燃料の混合を改善しているエンジンが自動車会社により開発されている。これは薄い混合燃料の燃焼を可能としたり、部分負荷時の排出ガスの再循環(EGR)量を増加可能とするために行われている。この技術を駆使することにより燃費が向上され、排気窒素酸化物(NOx)排出が減少する。本田技術研究所オハイオ研究所は燃費向上が達成でき、また、量産のシビックCX2バルブ/シリンダ・エンジンと同様の馬力が維持できるようなエンジンの研究開発に取り組んでいる。このプロジェクトチームは燃費向上デバイスとしてEGRを使用することを決定したが、そのためにはEGR量を更に増加することができるシステムが要求される。というのは、EGR使用時に燃焼が不安定となり、ドライバビリティが悪化することから量産では可能なEGR量が決まってしまうためである。この問題対策として、シリンダへッドの吸気口を変更することによりEGR量に与えるスワールとタンブルの影響を研究した。形の異なる吸気口でのスワールとタンブル比率の評価を行うため、プロジェクトチームは単純で低コストのスワール/タンブルメータを設計した。この論文はプロジェクトチームがその目標である「馬力の損失なく燃費の向上を図る」を達成するため、どのようにこのスワール/タンブルメータを使用したのかを述べている。このスワール/タンブルメータにより実施された分析例によれば、燃焼不安定による運転性能問題が生じることなくEGR量を増加することが可能である。また、馬力を維持することも可能である。
Honda R&D Technical Review Vol.7 収録 (115 - 122)