マニュアルトランスミッション用シンクロナイザ装置の耐摩耗性および同期性能を向上させるために、シンクロナイザリング用特殊高力黄銅の材料組織が摩擦摩耗特性に与える影響について解析し、素地の強化と素地に分散された金属間化合物粒子の形状・分布の最適化を図り、且つ材料特性を活かすシンクロナイザリング摩擦面形状の変更を同時に行った特殊高力黄銅シンクロナイザリングを開発した。開発内容としては、素地をα相主体からβ単相とし強化を図り、金属間化合物粒子の析出形状をデンドライト状から塊状とし析出量を7%以下とした。またシンクロナイザリング摩擦面については、ネジピッチを0.4 mm、ネジトップ幅を0.08 mmに縮小し、同期性能を改善した。その結果、本開発シンクロナイザリングは、従来品に対して耐摩耗性が3倍に、耐ギヤ鳴き性は10倍の改善が図れた。またシンクロ同期性能は10%の向上が得られた。
Honda R&D Technical Review Vol.7 収録 (68 - 78)