F1は,最高速300 – 370 km/hで,最大4.0 Gにおよぶ加減速を繰り返す.このような走行時の車風速(ラム圧)がエンジン出力に与える影響は大きい.しかし,サーキット走行時のラム圧による吸気事象の解析は,計測器の車載性の課題,車体のセットアップ作業の優先,などにより計測時間が取れず,おこなわれていないのが実態である.サーキット走行状態のラム圧を再現できるウインドシミュレータ装置を開発し,台上テストにて吸気系開発を効率的におこなえるようにした.また,車体駆動系イナーシャ同等の特性を有するダイナモ装置,車体特性とスロットルアクセルワークおよび各コース条件を模擬できる車両シミュレーションシステムを導入した.この結果,台上試験にてサーキット走行状態でのモード運転ができるようになり各サーキットに適した吸気系セッティングが可能となった.
Honda R&D Technical Review F1 Special (The third Era Activities) 収録 (90 - 95)