世界各国で小型二輪車のエミッション規制が年々厳しくなってきていることに対応して,空燃比を高い精度で制御するために,燃料噴射を用いた小型二輪車用エミッション低減システムを,排気量100cm3の4ストロークエンジンをベースに研究した.燃料噴射はスロットル開度とエンジン回転数と吸入負圧により使い分ける,2種類の噴射量マップにより制御している.この制御は単気筒エンジンの大きな吸入負圧変動の影響をなくすため,吸気バルブが開いているときのエンジン吸入負圧のピーク値を保持して,制御指標としている.また,排気ガス浄化のために,O2フィードバック制御と三元触媒を使用した.さらに,燃費向上のために省電力の小型燃料ポンプを開発した.さらに,キックスタータによる良好な始動性を得るための制御システムも開発した.これらの開発したシステムを採用することにより,欧州における二輪車エミッション規制“Directive 97/24/EC chapter 5”(EURO-1)によるTHC規制値の約1/30に減少し,ベースエンジンに対し燃費が約20%向上した.
Honda R&D Technical Review Vol.12 No.2 収録 (17 - 22)