液封構造を持つ防振ゴム部品は低い動的バネと高い減衰を持ち,特性設定の自由度も高い.その利点をサスペンションのブッシュで活かし,乗心地とロードノイズを向上する手法を検討した.段差を持つ路面を走行する場合のハーシュネスでは多くの場合,タイヤへの入力が左右で同位相である.これに着目し,左右で異なる特性を持つ液封コンプライアンスブッシュを用いて車体への伝達力の位相差を発生させる事により,左右の伝達力を打ち消し合わせる手法を開発した.この手法により段差路面における車体への伝達力を従来に対して低減した.舗装の粗い路面を走行する場合のタイヤの振動はサスペンションを通じて室内に伝達される.ロードノイズの周波数域ではサスペンションのゴムブッシュはバネ要素,減衰要素として作用し,アームは剛体要素,弾性要素として作用し,ロードノイズに関してこれらの寄与が高い事を見出した.この知見を元に液封ブッシュの特性を最適化し,ロードノイズの向上を達成した.
Honda R&D Technical Review Vol.15 No.2 収録 (215 - 222)