要旨
エンジンこもり音低減を目的とした従来のアクティブ騒音制御技術は演算負荷の高い畳み込み演算処理が用いられるため,DSP(Digital Signal Processor)などの高価な演算プロセッサが必要となり,コストの点で課題があった.そのため,自動車の振動騒音対策への適用事例は少なかった.本研究では,エンジンこもり音が狭帯域騒音であることに着目し,演算量を大幅に削減する制御アルゴリズムを構築した.これにより,適応信号処理を用いながらも安価なコントローラで実現する手法を開発した.更に,オーディオシステムとの統合化により,従来の課題を改善する事が出来た.本研究にて開発したシステムは,V6可変シリンダーエンジンを搭載した新型車輌の気筒休止時に発生するこもり音の改善のために,アクティブコントロールエンジンマウントシステムとともに適用され,燃費と商品性の両立を実現した.
参考文献
- (1)P.A. Nelson and S.J. Elliott, “Active Control of Sound, Academic Press”, London, 1993
- (2)佐野・井上・高橋・石原・山下:オーディオシステムと結合した低周波ロードノイズのアクティブ制御システムの開発,HONDA R&D Technical Review, Vol.12, No.2, 2000
- (3)S. Hasegawa, T. Tabata, A. Kinoshita and H. Hyodo, 1992, “The development of an active noise control system for automobiles”, Soc. of Automotive Engineers Technical Paper, no. 922086
- (4)S. Haykin, “Adaptive filter theory Second Edition”, Prentice-Hall, 1991
- (5)B. Widrow and S.D. Stearns, “Adaptive Signal Processing” Prentice-Hall 1984
- (6)伊東・浜田:適応ノッチフィルタを用いたアクティブコントロールシステムの実現,音響学会講演論文集1-9-12, 1994.3
著者(所属)
掲載情報
Honda R&D Technical Review Vol.15 No.2 収録 (201 - 208)
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引用情報
井上 敏郎, 髙橋 彰, 箕輪 聡, 佐野 久.
エンジンこもり音低減のためのアクティブ騒音制御システムの開発
Honda R&D Technical Review Vol.15 No.2 pp.(201 - 208)2003.
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