要旨
オートマチックトランスミッションに採用されている湿式多板クラッチの耐久性を向上させるため,摩擦材の摩耗履歴に着目した.初期摩耗量は係合時のディスク面圧と相関が観られ,一方,定常摩耗量はプレート温度と相関が観られることを計測により明らかにした.次にこのディスク面圧とプレート温度を定量化するためのシミュレーション技術を開発した.シミュレーションから得られた面圧分布と温度分布を用いて耐久摩耗量と相関をとったところ,いずれも良好な線形関係を示した.また,この線形関係はクラッチ仕様や運転条件を変更しても,その傾きこそ異なるものの摩擦材が同じものであるかぎり成立することを明らかにした.この傾きを摩擦材固有の摩耗特性と位置づけた.摩擦材の摩耗特性が得られたことで,任意のクラッチ仕様や運転条件に対し,単体テストの摩耗状態を予測することがはじめて可能となった.
参考文献
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掲載情報
Honda R&D Technical Review Vol.18 No.2 収録 (155 - 162)
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齋藤 俊博, 古手川 保, 松浦 吉輝, 田中 征一, 大槻 王一.
湿式多板クラッチの摩耗特性を考慮した耐久性予測技術の研究
Honda R&D Technical Review Vol.18 No.2 pp.(155 - 162)2006.
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