小型電動スクータの研究にあたり,都市内の短距離移動に的を絞り,実用性を考慮した航続距離を設定した.小型,軽量でかつ必要十分な動力性能を確保するため,高エネルギー密度型Ni-MHバッテリーを採用し,インバータ,モータおよび一段減速器を一体配置したモジュール型パワーユニットを構成した.さらに小型化による操縦安定性の低下を抑制すべく,部品配置の最適化により前輪分担荷重を確保した.また,従来と同等の乗車姿勢,低いシート高とフロア幅の最小化による足付き性と取回し性の確保,レバー型アクセルの採用によってユーザ利便性を向上させた.その結果,クリーンさ,静かさ,スムーズさなどの魅力を持ち,フラットフロアタイプで全長1 285 mm,質量44 kg,15 kmの航続距離,実用的な操縦安定性を持ち,エントリーユーザにも簡単に扱うことのできる小型電動スクータを実現した.
Honda R&D Technical Review Vol.18 No.2 収録 (21 - 27)