要旨
汎用エンジン往復部は,アルミニウム合金製のコネクティングロッドを採用しているため,鉄製に対し材料強度で不利となる.また運転条件については,比較的低い回転数を保ちながら,高い負荷率で使用される場合が多く,燃焼圧に対する強度,耐久性が要求される.そのためエンジン往復部の軽量化と強度の維持を両立するためには,各部品の剛性バランスが重要である.本研究では,往復部部品の形状パラメータを検討する構造最適化システムを構築し,軽量化と強度維持を両立する形状を検証した.計算の結果,コネクティングロッドの円環応力はピストンピン変位に起因することが導出され,軽量化と強度を両立するためには,ピストンピンの小径化とコネクティングロッド小端円幹部の厚肉化が有効であることが明らかになった.これより,各部発生応力は量産形状と同等以下にしつつ,ピストンピンの単体質量を-20%とする形状の組み合わせを見出した.また軽量化された形状にて実験をおこない,この最適化システムの有効性を実証した.
参考文献
- (1) 鈴木卓,北條宏,井上聡,森山浩,藤永陽治:タイミングベルト内蔵型汎用OHCエンジンの開発,HONDA R&D Technical Review, Vol.10, p.122-127
- (2) 川瀬祥司,浦田秀夫,石島善三,四方英雄:アルミニウム焼結合金コネクティングロッドの開発,HONDA R&D Technical Review, Vol.9, p.197-205
- (3) 高崎憲政,吉村祐子,佐藤和義,杉本幸男,佐藤貴紀:高圧金型鋳造用ピストン合金の開発,HONDA R&D Technical Review, Vol.13, No.1, p.175-184
- (4) 後藤哲男,遠藤一:エンジン開発におけるCAEの取り組みと最適化技術の紹介,自動車技術,Vol.67, No.5, 2013, p.56-61
- (5) Obayashi, S., D. Sasaki, D.: Visualization and data mining of Pareto solutions using self-organizing map, Proceedings of the 2nd International Conference on Evolutionary Multi-Criterion Optimization, Springer-Verlag Heidelberg, p. 796–809(2003)
- (6) 小屋栄太郎,半田政男,吉本篤司,中川昌彦,瀬戸達弥,奥富直子:CAEによるピストン強度予測,HONDA R&D Technical Review, Vol.5, p.43-50
著者(所属)
掲載情報
Honda R&D Technical Review Vol.26 No.2 収録 (202 - 207)
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引用情報
大久保 将美, 鈴木 真人.
アルミニウム合金製コネクティングロッドを有する汎用エンジン往復部の部品形状最適化の研究
Honda R&D Technical Review Vol.26 No.2 pp.(202 - 207)2014.
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