要旨
レアメタルの添加に頼らない高強度ガス軟窒化クランクシャフト用鋼を開発した.従来の高強度クランクシャフト材はレアメタルのモリブデン(Mo)を添加することで高強度化を図っていたが,本開発では高強度化達成手法として製鋼過程で含有する汎用元素のマンガン(Mn)を有効活用した.Mn量を0.9wt%以上にすることでフェライトの強化を図り高強度化を達成した.また,その強化メカニズムはガス軟窒化処理により表層のフェライト中に形成したMn窒化物(η-Mn3N2)の析出強化であることを明らかにした.一方,高強度化と相反する特性として要求されるガス軟窒化後の曲がり矯正性に対しては,炭素(C)量の低減により,フェライト面積率を増加させ,じん性向上を図ることで対応した.以上より,Mo添加を廃止することで材料コスト低減を図りつつ従来の高強度材同等の強度を達成した.また,レアメタル未添加の従来の標準材クランクシャフトに対し,16%の強度向上を達成した.
参考文献
- (1) 恩田勇人,浅井鉄也,藤木賢治,工藤洋嗣,室伏和昌:高強度高周波焼入れクランクシャフトの開発,Honda R&D Technical Review, Vol.15, No.2, p.175-182
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掲載情報
Honda R&D Technical Review Vol.25 No.2 収録 (138 - 145)
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引用情報
高橋 宏昌, 增田 大樹, 西谷 成史, 高須賀 幹.
Mn窒化物による析出強化型高強度クランクシャフト用鋼の開発
Honda R&D Technical Review Vol.25 No.2 pp.(138 - 145)2013.
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