生産台数の多い小型二輪車用に軽量でかつ高効率生産に適したプレスフレームを開発した.排気量150 cm3クラスで最軽量のフレームボデーをめざし,材料の薄板化による軽量化をおこなった.必要な強度,剛性を確保するために,材料には高張力鋼板を使用し,断面形状の工夫をおこなった.高張力鋼板は材料が伸びづらく,深さのある成形が困難なため,部品の分割方向が制約される.その対応として,上下方向に溶接フランジを設けた左右合わせ構造とすることで,部品の成形深さを浅くし,なおかつ主荷重方向の断面強化も合わせておこなった.さらに,フレーム構造を従来のモノボーン構造から前後分割構造とし,生産工程の平準化による管理,修正の簡略化をおこなった結果,工程時間の短縮が可能となった.プレスフレームを前後分割構造にした場合,部品形状が複雑になり,材料歩留まりの低下が課題となる.その対応として各部品の板厚を合わせ,多部品同時ブランキングをおこなった.その結果,骨格部品を小型,多部品化しても,軽量化と同時に生産工程の増加と材料歩留まりの低下を抑えることができた.これらにより,従来のプレスフレームに対し,強度,剛性を同等に維持しながら,質量30%減,生産工程時間30%減を達成することができた.
Honda R&D Technical Review Vol.25 No.2 収録 (70 - 80)