要旨
トランスミッションに採用されている湿式多板クラッチの自励振動を予測するためには,摩擦材の動摩擦特性とその使い方および駆動系の減衰特性の把握が重要である.摩擦面の温度,接触面圧の影響を受ける摩擦材の動摩擦特性について,面圧を均一化できる専用のトルク伝達特性試験装置を作成し,温度,面圧ごとにすべり速度依存性をとらえた.また,駆動系のフリクションによる損失トルクと振動発生時の実車挙動を計測し,実測値より減衰特性を求めた.得られた摩擦材の動摩擦特性とその使い方を定量的に把握するためのクラッチFEMモデル,および駆動系の減衰特性を組み込んだトランスミッションから車体までのトルク伝達特性の挙動解析シミュレーションモデルを構築した.本手法の有用性を確認するため,自励振動を抑制するクラッチの構造をシミュレーションで検討し,実車にて振動の低減を確認した.
参考文献
- (1) 山口正明,大瀧光郎,伊藤敬介,韮澤英夫,戸塚博彦:新型FIT用トルクコンバータ付きCVTの開発,Honda R&D Technical Review, Vol.20, No.2, p.11-16
- (2) 齋藤俊博,古手川保,松浦吉輝,田中征一,大槻王一:湿式多板クラッチの摩耗特性を考慮した耐久性予測技術の研究,Honda R&D Technical Review, Vol.18, No.2, p.155-162
- (3) Saito, T., Yamaoka, T., Kato, M., Minaminakamichi, T., Hoshi, T., Miyamoto, K.: Technology for Prediction of Torque Capacity during Operation of AT with Focus on Friction Properties of Facing Materials in Multiple Plate Clutches, SAE Technical Paper 2009-01-1255(2009)
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- (6) 八並憲治,サムエル ターシグニ,リー サーソフ,クリストファー クリーブランド:自動変速機油の長寿命化技術,トライボロジスト,第53巻,第4号,p.236-241(2008)
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掲載情報
Honda R&D Technical Review Vol.25 No.1 収録 (149 - 155)
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星 崇司, 南中道 隆, 東上 圭司, 田伏 功, 美浦 一葉, 園田 修三.
湿式多板クラッチ実働時の自励振動挙動予測技術の構築
Honda R&D Technical Review Vol.25 No.1 pp.(149 - 155)2013.
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