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素反応シミュレーションを用いたガソリンエンジンにおける低回転自着火の解析

要旨

ガソリンエンジンの低回転における自着火に起因する音(以下,自着火音)の低減は商品性における課題の一つである.低回転自着火音は散発的に発生し,サイクルごとのトルク変動が大きくエンジンの振動も大きい.従って,音の発生と同期させての計測が困難であり,また現象の再現も難しいため,解析は進んでいなかった.本報では,素反応シミュレーションが自着火音を発生させる燃焼を良く模擬できることを確認し,それを用いて,自着火発生時の素反応レベルにおける現象の確認と,条件変化による自着火特性の変化の確認および改善手法の検討をおこなった.確認した条件変化は混合気温度,圧縮比,空気過剰率,EGR,残留ガス,オクタン価である.また,それらの結果から再始動時の自着火の対策として,リーン化での燃料密度の低下による自着火抑制が効果的であることを確認した.また,残留ガスの低減は混合気の温度を低下させ,自着火を抑制できることがわかった.さらに,本シミュレーションの活用法として,販売地域により,オクタン価,外気温度等が変わる際の自着火特性を予測し,適切な仕様設定が机上でおこなえることを示した.

参考文献

  1. (1) 森勝之,小浜時男,渡辺聖彦,川辺泰之,伊藤良秋,鈴木道雄:ガソリンエンジンにおける自発火現象-発生メカニズムと予測手法-,自動車技術会学術講演会前刷集,No.982, p.87-90(1998)
  2. (2) 岩井浩平,梅原健:低回転・高負荷におけるガソリンエンジンの圧縮自己着火現象-前炎反応におよぼす混合気濃度・温度・圧力の影響-,自動車技術会学術講演会前刷集,No.39-00, p.5-8(2000)
  3. (3) 中島進,田村友幸:ガソリンエンジンのアイドル回転近傍での自着火に関する研究,自動車技術会学術講演会前刷集,No.121-12, p.1-6(2012)
  4. (4) 酒井康行:詳細反応モデルによるガソリンサロゲート燃料の着火プロセスの解析,自動車技術会シンポジウム,No.08-08, p.28-33(2009)
  5. (5) 手崎衆,山田裕之,金子誠:混合気の着火性制御による高圧縮比内燃機関開発に関する基礎的研究,平成19年度運輸分野における基礎的研究推進制度研究成果報告,独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構(2008)
  6. (6) 佐々木望,中田浩一:燃料性状がエンジンの異常燃焼に与える影響,自動車技術会学術講演会前刷集,No.126-11, p.13-16(2011)
  7. (7) 三好明:燃料化学反応モデリングへの誘い,日本燃焼学会誌,第50巻,154号,p.37-42(2008)

著者(所属)

掲載情報

Honda R&D Technical Review Vol.25 No.1 収録 (91 - 99)

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引用情報

中島 進.
素反応シミュレーションを用いたガソリンエンジンにおける低回転自着火の解析
Honda R&D Technical Review Vol.25 No.1 pp.(91 - 99)2013.
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