高熱効率エンジンの進化としてダウンサイジングを実現するために,比出力の向上を検討した.ダウンサイジングエンジンに要求される比出力と,熱効率の基本となる高圧縮比(高膨張比)を両立させるためには,高回転域での高いノッキング耐性が必要である.高出力化の課題は,バルブタイミングによる実効圧縮比低減効果が,高回転域で充分に得られないことであった.吸気系を改良することで,実効圧縮比低減が可能となり,ノッキング改善によって比出力は向上したが,自然吸気エンジン相当が限界であった.高熱効率とダウンサイジングとは相反する技術であり,さらなる比出力向上には,機械圧縮比そのものを下げる必要性が明らかとなった.ダウンサイジングは小排気量化による燃費向上技術であると同時に,軽量コンパクト化によって動力性能向上が期待できる.その意味で,高熱効率ガソリンエンジンの進化は,比出力向上によってダウンサイジングをおこなう方向性が有要であり,その実現に向けては,可変圧縮比機構などの抜本的な技術を構築し適用することが必要である.
Honda R&D Technical Review Vol.27 No.2 収録 (11 - 19)