要旨
燃費性能と動力性能を高次元で両立させることを目標として,2020年モデルCITY用CVTを開発した.新機構として,ロッキング位置変更ベルトおよび複合V面形状プーリ,機電直列配置オイルポンプシステムを採用した.これにより,金属ベルト式CVTの主要損失を低減し,動力伝達効率を向上した.新機構を組み合わせるにあたり,CVTとして損失低減効果を発揮できるようにCVT制御の最適化を実施した.また,燃費性能を最適化する制御による動力性能低下がないように,ドライバの加速意思をCVT制御の切り替えによって実現した.CVTの変速制御目標を駆動力とすることで,駆動力の落ち込みがない設定とした.さらに,ステップシフトを採用することで,車速がエンジン回転数にリニアに追従し,駆動力に伸びを感じられる設定とした.その結果,New European Driving Cycleモードにおいて,CVTとして従来モデルに対しCO2排出量を5.7 g/km削減した.また,2020年モデルCITYとして,タイの第2期エコカー政策の基準となるCO2排出量100 g/km以下を達成した.
参考文献
- (1) 坂上恭平:CVTのベルト挟圧力最適化に向けた瞬時安全率推定法,Honda R&D Technical Review, Vol. 31, No. 2, p. 81-89
- (2) 友松大輔,志水政紀,山口賢一,桑原信也,深尾光博,田邊道徳,大槻武:新2.0L用発進ギヤ付CVTの開発,自動車技術会 2018年春季大会学術講演会講演予稿集,No. 70-18,文献番号20185322, (2018)
- (3) 大形勇介,二宮啓輔,栗澤伸平,田村直己:燃費,静粛性,ドライバビリティを改良したCVTの開発,自動車技術会論文集,Vol. 44, No. 5, p. 1211-1214, (2013)
- (4) 隅田聡一朗,矢ヶ崎徹,青木亮太,淺井光:複合V面形状プーリおよびピッチ位置変更ベルトによる金属ベルト式CVTの動力伝達効率向上,Honda R&D Technical Review, Vol. 31,No. 2,p. 74-80
- (5) 原田雅道,坂上恭平,中曽根牧人:オイルポンプの機電直列配置によるCVTの燃費向上技術,Honda R&D Technical Review, Vol. 31,No. 2,p. 31-36
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掲載情報
Honda R&D Technical Review Vol.32 No.2 収録 (69 - 75)
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引用情報
隅田 聡一朗, 村上 好文, 中曽根 牧人.
2020年モデルCITY用高効率CVT
Honda R&D Technical Review Vol.32 No.2 pp.(69 - 75)2020.
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