• Home
  • 論文一覧
  • ホットスタンプ材における溶接時の熱影響による構造体強度低下

ホットスタンプ材における溶接時の熱影響による構造体強度低下

要旨

自動車の車体に用いるホットスタンプ材において,溶接による熱が構造体の強度性能を低下させる現象を明らかにした.テストピースによる試験により,抵抗スポット溶接と比べて熱の伝わる範囲が大きいレーザなどの連続溶接では,構造体の強度性能が低下することがあることを明確にした.この現象のメカニズムを明らかにするため,CAEを用いた解析をおこなった.溶接の熱により溶接部近傍の軟化が発生する現象を再現するため,微小な引張試験片を用いて材料の強度特性を採取し,CAEモデルに反映した.計算結果は試験結果と良く一致し,構造体強度性能の低下は,材料軟化の影響であることを明確にした.さらに,材料の軟化範囲と構造体強度性能の関係を検討することにより,溶接フランジ部の軟化の影響は小さく,稜線部の軟化の影響が大きいことがわかった.これは構造的に稜線部の応力分担が大きく,その範囲が軟化したためである.以上のように,今後の車体構造や溶接手法について検討する上での知見が得られた.

参考文献

  1. (1) Marukawa, T., Shoji, Y., Nakamura, M.: Euro Car Body 2017, Honda ACCORD, (2017)
  2. (2) Palmquist, N., D’Elia, A., Nedic, S.: Euro Car Body 2016, Volvo V90, (2016)
  3. (3) 山崎一正,佐藤浩一,徳永良邦:超高強度冷延鋼板のスポット溶接継手の強度特性,溶接学会論文集,第17巻,第4号,p. 553-560, (1999)
  4. (4) 富士本博紀,泰山正則,上田秀樹,上路林太郎,藤井英俊:ホットスタンプ処理されたスポット溶接継手の静的強度特性,溶接学会論文集,第33巻,第2号,p. 144-152, (2015)
  5. (5) 富士本博紀,福井清之,岡村一男,宮原光雄,中山英介:高張力鋼板スポット溶接継手の強度と破断形態の検討,自動車技術会学術講演会前刷集,No. 105-02, p.5-8, (2002)
  6. (6) Tarr, S.: Body Technology of Honda New NSX, 自動車技術会春季大会フォーラム,車体の最新技術2017, No. 17, FORUM-Y8, p. 1-20, (2017)
  7. (7) 大岡久康,鈴木敦,後東光繁,大塚啓太,岡田安正:短ピッチスポット溶接技術の開発,Honda R&D Technical Review, Vol. 25, No. 2, p. 81-86
  8. (8) http://www.honda.co.jp/factbook/auto/N-WGN/201311/p22.pdf
  9. (9) 大岡久康,野村友大:短ピッチスポット溶接を用いた車体の軽量化,溶接学会誌,Vol. 84, No. 7, p. 509-513, (2015)

著者(所属)

掲載情報

Honda R&D Technical Review Vol.30 No.1 収録 (69 - 76)

論文PDF

PDF 2.9MB

引用情報

大岡 久康, 野村 友大, 河津 政裕.
ホットスタンプ材における溶接時の熱影響による構造体強度低下
Honda R&D Technical Review Vol.30 No.1 pp.(69 - 76)2018.
引用情報をコピー
コピーしました