F1 用語集
風洞
風洞(英:Wind Tunnel)とは、人工的な気流を模型や実車に当てて空力性能を検証する実験設備のこと。風洞実験、風洞試験とも呼ばれ、多くはスケールモデルを製作して、ダウンフォースや空気抵抗、各部の圧力分布などを測定する。
F1における空力開発は競争力の核心であり、極めて重要な試験である。
一般的な市販車でも空気抵抗が減れば燃費が向上し、高速走行時の安定性も高まるが、F1では空気の流れによって車体を路面に押しつける「ダウンフォース」を生み出し、コーナーをより速く曲がるための力として機能する。
ダウンフォースはポイントと呼ばれる数値で評価され、ダウンフォースや空気抵抗などの諸要素を10%改善すれば、ラップタイムが1秒変わるとも言われているため、空力性能は勝敗を左右する最重要要素のひとつとされる。
現在はFIAの空力テスト規制(ATR)により風洞使用時間や条件が厳しく制限されており、制限下の風洞試験では1/1モデル(実車サイズ)は認められておらず、スケールは最大60%までと定められ、風速にも上限が設けられている。
さらに風洞使用可能時間は前年のコンストラクターズランキングに応じて変動する「スライディングスケール方式」が採用されており、上位チームほど使用時間が少なく、下位チームほど多く与えられる。
また、60%スケールモデルではレイノルズ数の再現やタイヤと路面の相互作用の再現に限界があるため、CFDとの相関精度が極めて重要となる。近年のF1開発は、この“相関の正確さ”が勝敗を左右するといっても過言ではないほど、重要な要素となっている。
