F1 用語集
トレイルブレーキング
トレイルブレーキング(英:Trail Braking)とは、コーナー進入時にステアリングを切り始めた後も、ブレーキを完全に離さずに徐々に踏力を弱めながら減速を続けるドライビング技術を指す。
通常のブレーキングは直線で強く減速し、ブレーキを離してから旋回動作に入る。一方トレイルブレーキングでは、ブレーキ操作をコーナー進入中まで“引きずる(trail)”ことで前輪に荷重を残した状態を維持する。ブレーキによる前荷重はフロントタイヤのグリップを高め、マシンはより鋭くコーナーへ向きを変えることができる。
ただしブレーキを残しすぎると前輪のロックアップやリアの不安定化を招き、スピンの原因となる。ABSを持たないF1マシンではとくに繊細なペダルコントロールが求められる。
テレビ中継では「ブレーキを残しながらターンイン」「前に荷重を乗せて向きを変えています」といった表現で解説されることが多く、「トレイルブレーキング」という用語そのものは専門的な解説で使われる場合が多い。
トレイルブレーキングはレースにおける限界領域での旋回性能を引き出す高度な技術であり、ブレーキングとステアリング操作を同時に制御するドライバーの力量を示す要素である。
