F1 用語集
ロックアップ
ロックアップ(英:Lock-up)とは、ブレーキング時にタイヤの回転が停止、あるいは極端に低下し、路面上を滑走してしまう状態のことを指す。タイヤが回転せずに滑ることで制動距離が伸び、マシンのコントロール性が低下する。
F1マシンにはABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が搭載されていないため、ドライバーはブレーキペダルの踏力を繊細に調整する必要がある。過度な踏力や荷重移動の変化により前輪がロックすると、タイヤから白煙が上がり、フラットスポットが発生する。
ブレーキング時に見られる白煙の多くはロックアップによるものだが、コーナー立ち上がりでのホイールスピンや、まれに機械的トラブルが原因となる場合もある。
なお、雨による水膜によってタイヤが浮くハイドロプレーニング現象とは原因が異なり、ロックアップはタイヤが路面に接触したまま滑走する現象である。両者は「グリップが急に失われる」という点で似ているが、物理的メカニズムはまったく異なる。
ロックアップは単なるドライバーによるミスではなく、限界付近での制動を追求した結果として発生することも多く、ブレーキング技術の難しさを象徴する現象である。
