
Honda エコマイレッジ チャレンジは2026年から全クラスでカーボンニュートラル燃料の使用が義務づけられます。早めにCN燃料を使うことで知見を蓄えておく考えから、関東工業自動車大学校は2025年からカーボンニュートラル燃料を使うCNグループIII(大学・短大・高専・専門学校生クラス)で参加することにしました。
エンジンはインジェクション仕様を選択しています。キャブレター仕様の吸排気バルブが直打なのに対し、インジェクション仕様はローラーロッカーを介して駆動します。そのぶん潤滑に有利でオイルの管理が楽だというのが、インジェクション仕様を採用した理由のひとつ。効率面で有利だと見込んだのも、インジェクション仕様を採用した理由です。
燃焼効率を高めるには点火を強化したいところですが、インジェクション仕様は構造面から、キャブレター仕様のようにツインプラグにできないのが難。そこで、自動車用の点火コイルに置き換えることで点火を強化しています。さらに、2025年からはバッテリーを変更。鉛からリチウムイオンに置き換えました。CN燃料はガソリンに比べて揮発しにくいという情報をもとに、さらに点火を強化したのです。
軽量化のためホイールベースを短く設計したため、エンジン搭載スペースはコンパクト。乗員スペースとエンジンルームを仕切るバルクヘッドには、燃料噴射量を調節するデバイスが設置されています。ここで初期設定をしておき、ドライバーの手元で濃淡を調節できるようになっています(燃料消費を抑えるため、できるだけ薄い状態で走りたい)。
苦労した点に、遠心クラッチのウエイトを挙げています。半クラッチ状態は燃料のロスにつながるので、できるだけ低い回転でつなぎたい。ウエイトを増やせば低いエンジン回転でつながるようになりますが、付けすぎると吹け上がりが鈍くなってしまいます。その兼ね合いが難しく、スタートの加速と燃費のバランスを見ながら調整しています。
駆動系ではドグミッションを採用しているのが特徴。スロットルオンの状態でハンドル左側にあるレバーを握ると、ワイヤー動作によってクラッチが解放されると同時に電気が遮断され、エンジンが自動的に停止する仕組みです。
大会の現場で慌てないで済むよう、学校で入念に仕上げておくのが関東工業自動車大学校の取り組み方。現地では空気抵抗を少しでも減らすべく、ワックスがけに集中します。










