
CNグループI(中学生クラス)で参加するあきる野市立東中学校は、「代々受け継いでいる車両を大事に、長く使い続ける」をモットーに、課題が持ち上がれば修正し、良いところは伸ばす方向で手を加えています。車両は3台あり、カーボン号の愛称で呼ばれる1号車はその名の通りカーボンとアルミハニカムを組み合わせたフレームとカーボンカウルの構成。前2輪もカウルで覆っているほか、ステアリングシステムはリンクにロッドを使うほかの2台と異なり、チェーンを使っています。
2号車(エクアドル号)と3号車(ブルースカイ号)はほぼ共通の設計。アルミフレームとFRPボディ&カウルの構造で、前2輪は露出しています。フルカウルの1号車と前2輪が露出した2号車/3号車で見た目は異なりますが、機構面では共通性を意識して設計しています。3台で大きく異なるコンセプトとしたり、1台だけ異なる部品を使ったりすると、大会でトラブルが発生したときの対処に困るので、できるだけ入手しやすい市販品を使うようにし、設計に共通点を持たせるようにしているのです。
軽量化は重要だと認識してはいるものの、過度な軽量化は禁物で、剛性が重要だとの考え。走行中にフレームがねじれることが、転がり抵抗の増加につながることが、経験からわかっているから。最も長い年月使っているのは2号車ですが、同じ構造の3号車にはフレームに補強のためのあて板をして剛性を高めています。最も新しいのは1号車で、カーボンフレームを採用したのは、剛性を大きく向上させた効果を確かめる狙いもあったといいます。
全国大会には1号車から3号車まで、すべて参加します。規則上、1チームは5人で構成する決まり。エコ マイレッジ チャレンジの活動を始めた初期の頃、できるだけ多くの部員が大会に参加できるよう毎年のように車両を増やしていった結果、3台体制になりました。
剛性の違いが走りに与える影響は大きく、剛性が高いほどチェーンは外れにくく、同じコーナーでも転舵量は少なくて済む現象を確認しています。また、同じ部品でも、剛性の高い車両のほうが長持ちするそう。部に3台あるメリットを生かし、共通のコンセプトとしながらも少しずつ仕様を変え、効果を確かめています。
仕様を変えて効果を確かめるのはエンジンも同様で、3号車はノーマル。2号車と1号車はエンジンから発電機能を取り去り、バッテリー電源で点火させています。また、2号車と3号車はオリジナルのシングル(1本)のままですが、1号車は試験的にツイン(2本)プラグとして点火を強化し、その効果を確認しているところです。駆動系は基本的に共通で、3台ともトランスミッションを取り外してクランク直結としているのが特徴。駒の遊びが少なく外れにくい工業用チェーンで後輪に駆動力を伝えています。
ベアリングはグリースを落とし、メタルコーティングを施してフリクション低減を図っています。アライメントの調整もマスト。班で話し合いながら調整し、転がり抵抗の少ないアライメントを探り出しています。部員は活動を通じてクルマの基礎知識を身につけながら、大会に向けてベストなコンディションにすべく、自分たちで組んだ計画に沿って準備を進めています。










